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力価の計算|完全ガイド【無料計算ツール付き】

力価の計算 – 完全ガイド【計算ツール付き】

力価の計算|完全ガイド【無料計算ツール付き】

医薬品の力価計算を簡単に。計算式から実践的な使い方まで徹底解説

力価計算ツール

この記事では、医薬品製造や調剤で必須となる「力価」の計算方法について、基礎から実践まで詳しく解説します。

力価とは?

力価(りきか、Titer/Potency)とは、医薬品原薬の有効成分の含有割合を示す指標です。純度とも言い換えられ、原薬中に実際にどれだけの有効成分が含まれているかを表します。

例えば、力価0.95(95%)の原薬100mgには、実際の有効成分が95mg含まれており、残りの5mgは結晶水や不純物などです。医薬品製造では、この力価を考慮して正確な配合量を計算する必要があります。

力価の表し方

力価は用途や医薬品の種類によって、以下のような単位で表されます。

  • 質量比(mg/mg):最も一般的。0.95や95%のように表示
  • 単位/質量(U/mg、IU/mg):抗生物質やホルモン製剤で使用
  • 力価表示なし:純度100%とみなす場合

力価計算の基本公式

力価計算には、目的に応じて3つの基本公式があります。

① 製剤量の計算

製剤量 (mg) = 原薬量 (mg) ÷ 力価

必要な有効成分量から、実際に秤量する原薬の量を求める

② 原薬量の計算

原薬量 (mg) = 製剤量 (mg) × 力価

秤量した原薬から、実際の有効成分量を求める

③ 力価の計算

力価 = 原薬量 (mg) ÷ 製剤量 (mg)

分析結果から原薬の力価を算出する

計算例で理解する

例題1:製剤量の計算

問題:力価0.95の原薬を用いて、有効成分100mgを含む製剤を作りたい。何mg秤量すればよいか?

計算:

製剤量 = 100mg ÷ 0.95 = 105.26mg

答え:105.26mgの原薬を秤量する

例題2:原薬量の計算

問題:力価0.88の原薬200mgには、有効成分が何mg含まれるか?

計算:

原薬量 = 200mg × 0.88 = 176mg

答え:176mgの有効成分が含まれる

力価計算の注意点

単位の統一

計算前に必ず単位を統一します。mg、g、μgが混在すると重大なミスにつながります。

有効数字の管理

製造現場では通常、小数点以下2〜3桁まで計算します。過度な精度は実用的ではありません。

力価の確認

原薬の力価は製造ロットごとに異なる場合があります。必ず試験成績書(COA)で確認しましょう。

実務での活用シーン

力価計算は、医薬品業界のさまざまな場面で使用されます。

医薬品製造

錠剤、カプセル、注射剤などの製造で、正確な有効成分量を確保するために使用

品質管理

原薬の受入検査や製品の品質試験での力価測定と計算

調剤業務

病院や薬局での医薬品調製、特に注射剤の調製で重要

研究開発

新薬開発における処方設計や安定性試験での力価変化の評価

よくある質問(FAQ)

Q. 力価が1.0を超えることはありますか?

A. 通常の化学物質では力価は1.0以下ですが、水和物や塩の形態によっては換算係数として1.0を超える値が使われることがあります。

Q. 力価を考慮しないとどうなりますか?

A. 製品中の有効成分量が規格から外れ、効果不足や過量投与のリスクが生じます。医薬品の品質と安全性に直結する重要な計算です。

Q. 力価はどのように測定されますか?

A. HPLC(高速液体クロマトグラフィー)、滴定法、UV吸光度測定などの分析法で測定されます。医薬品ごとに日本薬局方などで規定されています。

まとめ

力価の計算は、医薬品の品質を保証する上で欠かせない基本スキルです。この記事で紹介した計算ツールを活用して、日々の業務での計算ミスを防ぎ、正確で安全な医薬品製造・調剤を実現しましょう。力価の概念をしっかり理解し、適切に計算することで、医療現場における安全性と有効性の確保に貢献できます。

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