
- 自分の考えや価値観を整理したい
- 自分に合った職場が分からない..
- 転職活動の軸をはっきりさせたい!
転職活動を成功させるには、自己分析は欠かせません。ですが、自己分析の方法が分からない人は多いのではないでしょうか。
この記事では、自己分析の目的や効果的なやり方、自己PRや志望動機への活用方法を詳しく解説します。
この記事では、9つの自己分析を紹介。
薬剤師としての自己理解を深め、転職活動で自信を持って自己PRできるようになります。
初めて転職を考える薬剤師の方でも、この記事を読み進めることで、系統立てて自己分析を進められるようになり、転職活動での成功確率を大幅に高めることができます。
- 自己分析の目的とメリット
- 9つの具体的な実践手法
- 効果的な分析のコツ
- よくある失敗と注意点
- 自己分析で行き詰まった時の解決策
⾃⼰分析をやる前に知っておきたい基礎知識

⾃⼰分析をやる前に知っておきたい基礎知識は以下の2つです。
⾃⼰分析のメリット

自己分析を行うことで、自分の強み・弱みが明確になるのが1つ目のメリットです。
漠然としている自分の能力や特性を言語化すると、どのような場面で力が発揮できるか、どの部分を伸ばすべきかはっきりします。
2つ目のメリットは、キャリア選択の制度が上がることです。自己分析は自分の価値観や考え方を理解するきっかけになります。
その結果として、将来的に満足度の高い職業選択や転職活動が実現できます。

3つ目のメリットは、自己分析によって人間関係が改善することです。
コミュニケーションの取り方の特徴や人間関係の傾向も分析するため、より良い人間関係を築けるようになります。
4つ目のメリットは、目標設定が明確になることです。
自分が本当に大切にしている価値観や達成したいことがはっきりするため、より具体的で実現可能な目標が立てられます。
⾃⼰分析を始める時期
自己分析はいつ始めても構いません。ですが、自己分析を始めるタイミングの最適解として以下の3つがあげられます。

就職活動の前に自己分析をしておくと、軸がブレずに一貫性のある就職活動が実現できます。
社会人であれば、転職を考え始めるタイミングや結婚・出産・引っ越しなど、大きなライフイベントが発生する際に行うのがおすすめです。
2~3年に1回など、定期的に自己分析を行うのもよいでしょう。人は経験を積むにつれて価値観や考え方は変わるものです。自己理解のアップデートとして自己分析を取り入れてみてください。
⾃⼰分析のやり⽅

⾃⼰分析のやり方はたくさんあります。ここでは、代表的な9つの手法について詳しく解説します。
- ⾃分史を作成する
- マインドマップを活⽤する
- モチベーショングラフを描く
- ジョハリの窓を使う
- 他⼰分析を試みる
- WHY(なぜ)の質問で深掘りする
- WILL・CAN・MUSTフレームを使う
- キャリアアドバイザーに相談する
- ⾃⼰分析ツールを使う
⾃分史を作成する
自分史とは、自分の人生を振り返り、現在までの体験を年表のように書き表したものです。
客観的な視点でこれまでの人生経験を振り返り、自分自身の強み・弱みなどを分析します。自分史の作成は、説得力のある自己PRに生かせます。
- 各年代のタイプを書く
- 幼少期からのエピソード年表を作る
- モチベーショングラフを作り感情を言語化する
- 自分史から分かることを多く書き出す
まず、年代別に大きな出来事を書き出します。小学校時代、中学校時代、高校時代、大学時代、社会人時代というように区切り、それぞれの時期で印象に残っている出来事を挙げてみましょう。
自分史のテンプレートはこちら
当時のキャラクター 立ち位置 | 出来事 エピソード | 当時感じたこと 考えていたこと | 経験から学んだこと | |
---|---|---|---|---|
幼少期 (小学校入学前) | ||||
小学校時代 | ||||
中学時代 | ||||
高校時代 | ||||
大学時代 |

以下の記入例を参考にしてください。
当時のキャラクター 立ち位置 | 出来事 エピソード | 当時感じたこと 考えていたこと | 経験から学んだこと | |
---|---|---|---|---|
幼少期 (小学校入学前) | おじいちゃんが大好き | 幼稚園のとき一人で祖父母宅にお泊りすることもあった | 一人で泊まるのが偉いと褒めてもらえて嬉しかった | 褒めてもらえることが喜びや嬉しい気持ちになること |
小学校時代 | クラスの中心 | 体育委員会の委員長を務めて運動会を盛り上げた | 皆が楽しめるように自分が率先して行動していた | 一人ひとりを思いやる気持ちの大切さ |
中学時代 | サッカー部の特待生として私立中学へ入学 | 中学3年生のとき全中3位になるもスタメンから外れる | 世代別代表に選ばれる選手の意識の高さに圧倒された | 意識の高い選手をお手本にすれば自分自身も成長できる |
高校時代 | サッカー部の特待生として進学するも勉強を優先 | 相次ぐ怪我に悩まされる 高校3年時には顔面骨折で離脱 | Aチームには入れない限界 サッカー以外の生きる道を模索する | 怪我が多い選手は大成しない サッカーに注いだ熱量は勉強にも活かせること |
大学時代 | ひたすら勉強に取り組む 勤勉な学生生活を送る | 大学の研究室が閉まるまで独学で勉強を続けた | 自分が分からないところを言語化できるまで勉強することを心がける | スポーツしかしてこなかった人でも努力次第でストレート合格はできる |
次に、各出来事について以下の項目を詳しく記録します:
- 何があったか(事実)
- その時どう感じたか(感情)
- なぜそう行動したか(動機)
- 何を学んだか(学び)
- 現在の自分にどう影響しているか(影響)
転職活動での活用方法
自分史で整理した薬剤師としての経験は、職務経歴書の実績欄や面接での具体的なエピソードとして直接活用できます。
単なる業務内容の羅列ではなく、その時の動機や学びまで整理されているため、説得力のある転職理由として伝えられます。
複数の職場経験から共通するパターンを見つけることで、一貫したキャリアビジョンの軸を作ることができ、転職先でも活かせる強みを明確にできます。
マインドマップを活⽤する

マインドマップとは、自分の思考を言語化しながら深掘り、情報を整理するためのツールです。
自分を中心に書き、得意なこと・苦手なことなど、放射状に書き出しましょう。

「なぜ?」と自問自答を繰り返すことで、あなた自身の本質が見えてきます。
釣りが好きという趣味を例に深掘りすると、「魚を釣ったときの感動と興奮が忘れられない」→「今までにない感動体験ができたから」→「探求心が強い」と、自分の性格の本質が見えるのです。
おすすめのマインドマップツールは、クラウド型のMindMeisterです。
無料で3つまでマインドマップが作れ、PC・スマホどちらも使用可能です。プレゼン表示やMS Teams連携にも対応、アプリ版もあります。
» MindMeisterの詳細はこちら
モチベーショングラフを描く

モチベーショングラフとは、人生の各時期におけるモチベーションを曲線で描いたものです。ライフラインチャートとも呼ばれます。
横軸を年齢、縦軸はモチベーションレベルとし、自分の人生を振り返りながらグラフを描きましょう。
モチベーショングラフを書くことで、どのような環境や条件下でやる気を発揮できるのか、意欲が低下するのかが明確になります。

モチベーショングラフを書くと、自分にあった職場がみえてくることも。
学生時代の青春をチームスポーツに取り組んだ人は、献身的に働くのが苦にならない病院向きの性格が多い傾向にあります。
モチベーション管理はもちろん、自分にあった職場や業種が見えてくるので、ぜひ一度試してみてください。
ジョハリの窓を使う

ジョハリの窓は、「自分が知っている自己」や「他人が知っている自己」を整理し、新たな強みと弱みを探し出すフレームワークです。
ジョハリの窓を用いる際は、「盲点の窓」が小さくなるよう心掛けてください。
家族や友人・同僚などから率直な意見を求めることで、自分では気づかない強みや改善点が見つかります。
他⼰分析を試みる

他己分析は、他人から見た自分の特徴や印象を聞く手法です。自分だけでは気づけない、客観的な視点を得られます。
自己分析の精度を高めたり、新たな自分を見つけ出すきっかけになるのが他己分析のメリットです。
手順 | 1.身近な人に協力を依頼し、自分について詳しくヒアリングする 2.ヒアリングした内容と自己分析の内容に共通点・相違点があるかを確かめる |
---|---|
ポイント | さまざまな人に回答してもらう ヒアリングの内容に知らなかった部分があれば深掘りする |
WHY(なぜ)の質問で深掘りする
WHY(なぜ)の質問による深掘りは、表面的な事実の背後にある真の動機や価値観を探る手法です。
ひとつの出来事や行動に対して「なぜ?」を3~5回繰り返すと、深層にある本当の理由が見えてきます。

「営業の仕事を選んだ」という事例をもとに、深掘りしてみましょう。
WHY?(なぜ営業を選んだのか?)
↓
人と話すのが好きだから
↓
WHY?(なぜ人と話すのが好きなのか?)
↓
相手の役に立てると感じるから
↓
WHY?(なぜ相手の役に立ちたいのか?)
↓
感謝されると嬉しいから
↓
WHY?(なぜ感謝されると嬉しいのか?)
↓
自分の存在価値を感じられるから
↓
WHY?(なぜ存在価値を感じたいのか?
)
↓
他者貢献によって自己実現したいから
重要なのは、中途半端に終わらせず最後まで問い続けることです。3~5回の「なぜ」で深掘りしきれなかったときは、さらに自分の心へ問いかけてみて下さい。
WILL・CAN・MUSTフレームを使う

WILL・CAN・MUSTフレームとは、「やりたいこと」「できること」「やるべきこと」を書き出して、理想の自分像を見える化する手法です。
3つの円が重なるようなキャリアを見つけるのが理想的。主軸が見つけられると、ブレない転職活動が実現できます。
キャリアアドバイザーに相談する
キャリアアドバイザーへ相談するのもおすすめです。客観的かつ専門的な視点から、自己分析が行えます。
経験豊富なアドバイザーは、効果的な分析手法を熟知しており、自分では気づけない強み・弱みが発見できます。

薬剤師専門の転職エージェントは相談や利用料はかかりません。
相談する価値アリです。
実際に利用して良かった薬剤師転職エージェントをまとめた記事もありますので、あわせてご覧ください。
» おすすめの薬剤師転職エージェント10選!
⾃⼰分析ツールを使う
自己分析ツールを使うのもおすすめです。転職活動に適した自己分析ツールを以下にまとめました。
診断ツール | 特徴 |
---|---|
16Personalities | 個人の性格を16種類に分類するの性格診断テスト |
エニアグラム | 人間の性格を9つのタイプに分類する方法 |
グッドポイント診断 | リクナビNEXTが提供する自己分析ツール |
ジョブリシャス診断 | マイナビが提供する適職診断サービス |

16Personalitiesのテスト結果は、擁護者(ISFJ型)でした。

これらの自己分析ツールは、科学的・心理学的な根拠に基づいて作らています。そのため、客観的な自己理解を深めるのに最適です。
ここで紹介した自己分析ツールはすべて無料で利用できます。ぜひ一度、自己分析をしてみてください。
効果的な⾃⼰分析のやり⽅

効果的な⾃⼰分析のやり⽅について、以下に詳しく解説します。
短所も含めて多⾓的に分析する
効果的な自己分析を行うためには、短所も含めて多角的に分析するのが重要です。
長所だけに目を向けるのではなく、短所や弱みも認識すると、より現実的で実行可能な成長戦略を立てられます。
短所分析の際は、改善可能な課題として建設的に捉えましょう。
例えば、「せっかち」という短所は、決断が早いという長所の裏返しでもあります。どのような場面で「せっかち」に注意すべきか考えるのが大切です。

他己分析など、自身に対する客観的な評価を聞いてみましょう。
感情や経験を具体的に⾔葉にする
効果的に自己分析するには、感情や経験を具体的な言葉にするように意識しましょう。
「楽しい・嬉しい」といった単純な感情表現で済ませず、なぜそう感じたのか、どのような状況で・どのくらいの強さなど、感情を言語化してみてください。
「薬局長を任されて嬉しかった」ではなく、「薬局長を任された瞬間、自身の成長を認められた喜びと同時に、薬局運営に対する責任の重さも感じた」といったかたちです。
感情や経験を具体的に言語化すると、自分の価値観や動機がより明確になり、相手に伝わりやすい具体性のある説明ができるようになります。
主観と客観の視点を分けて考える
自己分析では、主観と客観の視点を分けて考えるのが重要です。

主観的な自己分析では、自分の本音や直感を大切にしてください。
「本当はどう思っているのか」「心の奥では何を求めているのか」といった、内面の声に耳を傾けましょう。
客観的な自己分析は、数値や事実に基づいて評価します。
売上実績や営業の成功率・他者からの評価・取得資格など、具体的な指標を用いて自分の能力を見える化してください。
主観と客観、2つの視点からの自己分析によって、正しい自己理解が行えます。
⾃⼰分析をやる際の注意点

⾃⼰分析をやる際の注意点は以下の通りです。
思い込みで結論を出さない
自己分析をやる際は、思い込みで結論を出さないよう注意してください。
「自分は○○な人間だ」と、先入観があれば、それに合致する情報だけを集めてしまうからです。
そのため、先入観にとらわれないためにも「本当にそうだろうか?」と疑問を持つように意識してみましょう。
価値観や目標などは、年齢や周囲の影響なども左右します。自己分析のタイミングによっても変わるため、先入観は禁物です。
時間をかけすぎない
自己分析は時間をかけすぎないよう注意しましょう。完璧を求めて時間をかけるのは逆効果です。
自己分析に時間をかけすぎると、転職活動が遅れてしまい、好条件の求人を見逃しかねません。

転職活動に活かすなら、自己分析にかける時間は、2〜3週間程度を目安にしましょう。
自己分析は、100点満点を取ろうとしなくてOKです。及第点でよいので、ある程度の自己理解ができたら転職活動に活かしましょう。
定期的に⾒直す
自己分析は定期的に見直すのがベスト。なぜなら、価値観や能力は経験や環境の変化によって左右されるからです。

結婚や出産などのライフイベントは、自分自身の価値観が変化するタイミングでもあります。
自己分析をやり直したら、前回の分析結果と比較し、どのような変化があったかを確認してみてください。
成長した部分や新たに発見した特徴、変化した価値観などを見比べると、自分の成長過程を客観視できます。
⾃⼰分析のやり⽅に関するよくある質問
最後に、⾃⼰分析のやり⽅に関するよくある質問をまとめました。
⾃⼰分析はどのくらいの頻度でやるべき?
自己分析を行うのに適切な頻度はありません。
自己分析の必要性を感じたタイミングで行いましょう。
自己分析の理想的な頻度は、目的や状況によって異なりますが、一般的には以下のような頻度が推奨されます。
タイミング | 頻度 | 実施目的 | 具体例 |
---|---|---|---|
基本的な見直し | 年に1〜2回程度 | 定期的な自己理解のアップデート | 誕生日や年末年始など、区切りの良いタイミングで習慣化 |
キャリアの節目 | その都度必ず実施 | 新しい環境や役割への適応 | 転職、昇進、部署異動時に強みや価値観を再確認 |
目標設定時 | 年度始めや計画時 | 現実的で達成可能な目標設定 | 新年度の目標設定や中期計画を立てる際 |
困難な状況 | 必要に応じて | 問題解決策の発見 | 仕事や人間関係で行き詰まりを感じた時 |
⾃⼰分析が上⼿くいかないときの対処法は︖
自己分析が思うように進まない場合は、以下の対処法を試してみてください。
対処法 | 具体的な方法 | 実践例 | 期待できる効果 |
---|---|---|---|
視点を変える | 信頼できる人に相談し、客観的な意見を求める | 家族、友人、同僚、メンターなど異なる関係性の人々から意見を聞く | 新たな気づきを得られる、盲点に気づける |
手法を変える | 一つの方法で上手くいかない場合、別のアプローチを試す | 文字で書き出すのが苦手→マインドマップや図表を使用、誰かに話しながら整理 | 自分に合った方法を発見、継続しやすくなる |
小さく始める | 全てを一度に分析せず、一つの側面に焦点を絞る | 強みだけ、価値観だけなど、部分的に取り組む | 負担が軽減される、成功体験を積める |
プロの力を借りる | 専門家に相談する | キャリアカウンセラーやコーチなどの専門家に依頼 | 専門的なアドバイスを受けられる、効率的に進められる |
時間を置く | 無理をせず一度休憩してから再開する | 一旦中断し、時間を置いてから再度取り組む | 新たな視点で見つめ直せる、ストレス軽減 |
まとめ

今回は、自己分析のやり方を9つ紹介しました。
» 自己分析のやり方9選
それぞれの手法に異なる特徴やメリットがありますが、共通する自己分析のメリットは以下の通りです。

自己分析で重要なのは、完璧を求めず定期的に自己分析し直すことです。
自己分析は一度で完了するものではありません。定期的に自己分析し直し、成長や変化に合わせたアップデートが必要です。

自己分析は転職活動を成功させる手段のひとつです。自己分析して満足しないよう注意しましょう。
転職を検討中の薬剤師の方へ
自己分析で自分の強みや価値観がはっきり見えたら、転職活動の本格スタート。ですが、ひとりでの転職活動には限界があります。
そんなときは、薬剤師専門の転職エージェントを利用するのも選択肢に入れましょう。
転職エージェント利用のメリット
書類作成や面接対策のサポート
ヒアリングをもとにした求人検索
非公開求人の紹介
薬剤師業界に詳しいアドバイザーから客観的な意見が聞けるのもメリットです。
自己分析で行き詰ったり、転職活動で悩んだりしているなら、ぜひ一度相談してみてください。
すべて無料で利用できます
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