
- 薬剤師は公務員として働けるの?
- 給料は薬局よりも安い?高い?
- 公務員として働くメリットが知りたい
薬剤師の国家資格を持ちながら、公務員として働く方は一定数存在します。国家資格者として公務に就くことは、社会貢献と安定性が同時に得られる働き方です。
しかし、初任給が低い、異動が避けられないといったデメリットがあるのも事実です。いざ働いてみると「想像以上に給料がもらえない」と感じる方も少なくありません。

そこで今回は、公務員薬剤師の給与待遇や働き方、メリット・デメリットまで詳しく解説します。
この記事を読むことで、公務員薬剤師の実態がわかり、公務員薬剤師になるまでの一連の流れが理解できます。
- 公務員薬剤師の基本情報
- 給与事情や福利厚生
- メリット・デメリット
- 公務員薬剤師になるまでのプロセス
もし、公務員薬剤師を辞めるかどうかで悩んでいるなら、こちらの記事もあわせてお読みください。公務員が向いている人について詳しく解説しています。
» 公務員薬剤師が「もったいない」のか実体験をもとに徹底解説!
公務員薬剤師に関する基礎知識

はじめに、公務員薬剤師に関する基礎知識を押さえましょう。薬局やドラッグストアで働く薬剤師との違いを解説します。
公務員薬剤師とは国や地⽅⾃治体の公的機関で働く薬剤師
公務員薬剤師とは、国や地方自治体の機関においで働く薬剤師を指す言葉です。薬剤師としての職能を活かしながら公務に就きます。公衆衛生の向上や医薬品の安全性確保、健康増進施策の推進など、幅広い業務に携わるのが一般的です。
地方公務員と国家公務員によっても仕事内容は異なるものです。地方公務員は、保健所や自治体病院などに配属され、地域住民の保健衛生の確保・向上を目指して務めます。
国家公務員の場合、より大きなスケールでの公務に就きます。単に調剤するのではなく、国民の健康を守る仕組みやルールづくりを担います。
薬剤師の有資格者は、薬系技官として国家公務に就くのが一般的です。以下のイラストに薬系技官が担当する分野をまとめました。


これらの仕事は、一般的な薬剤師では経験できません。
一般的な薬剤師が表舞台で活躍する芸能人だとすると、公務員薬剤師は裏方として欠かせないプロデューサーのような存在です。
公務員薬剤師の中でも麻薬取締官として働く方法もあります。麻薬取締官として勤務経験のある方にインタビューした記事もありますので、気になる方は合わせてご覧ください。
» 元マトリの薬剤師へいろいろ聞いてみた!
⼀般的な薬剤師との違い
一般的な薬剤師との違いは、勤務先や業務内容に限らず、雇用形態・給与体系も異なります。以下の表にその違いをまとめました。
公務員薬剤師 | 一般的な薬剤師 | |
---|---|---|
主な勤務先 | 保健所・公的病院・衛生研究所・中央省庁 | 調剤薬局・ドラッグストア・民間病院・製薬会社 |
主な業務 | 政策立案・監視指導・疫学調査 | 調剤・服薬指導・薬歴管理 |
雇用形態 | 公務員(身分保障あり) | サラリーマン員 |
給与体系 | 公務員俸給表 (年功序列) | 企業による(成果給含む) |
転勤 | あり(特に国家公務員) | 企業による |
副業 | 原則禁止 | 可能(企業規定による) |
公務員薬剤師と一般的な薬剤師では、勤務先と業務内容が異なります。
公務員薬剤師は、行政機関において政策立案や監視業務など、より広範囲な業務に従事するのに対し、一般的な薬剤師は調剤薬局やドラッグストア、病院などの民間企業の中で調剤業務や服薬指導を行います。
雇用形態を比較すると、公務員薬剤師の方が一般的な薬剤師よりも安定した職業であるのが分かるでしょう。
公務員薬剤師は、公務員として安定した雇用が保障されており、給料は法律(俸給表)によって定められた給料が支給されます。

退職金も充実していることから、退職後の生活において金銭的な心配はそう多くありません。
対して一般的な薬剤師は、サラリーマンとして働きます。そのため、勤務先の業績や経営状況に左右される職業です。
ボーナス支給はもちろん、昇給や退職金がもらえるかどうかも業績次第。最悪の場合、企業の倒産やリストラのリスクもあるのが公務員薬剤師との大きな違いです。
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【種類別】公務員薬剤師の仕事内容

公務員薬剤師を大きく分けると、国家公務員(薬系技官)・地方公務員・麻薬取締官・みなし公務員の4種類に分けられます。以下の表は、勤務先や業務内容・特徴などをまとめたものです。
公務員薬剤師の種類と特徴
種類 | 勤務先 | 主な業務内容 | 特徴 |
---|---|---|---|
国家公務員薬剤師 (薬系技官) | 厚生労働省 地方厚生局 検疫所 国立病院機構 | 医薬品承認審査 薬事行政企画 医療政策策定 検疫業務 | 国レベルの政策決定に関与 社会的影響力大 |
地方公務員薬剤師 | 保健所 衛生研究所 自治体病院 薬務課 | 食品衛生監視 薬局などの指導 感染症検査 地域医療推進 | 地域住民との直接的な関わり身近な立場からのアプローチ |
麻薬取締官 | 地方厚生局麻薬取締部 | 薬物犯罪捜査 不正薬物鑑定 薬物乱用防止啓発 | 特別司法警察職員捜査権限あり、危険性も伴う |
みなし公務員薬剤師 | PMDA 独立行政法人 国立研究機関 | 医薬品承認審査 安全対策 研究開発 | 公務員に準じた待遇専門性重視の業務 |
それぞれの仕事内容や特徴について、以下で詳しく解説します。
国家公務員薬剤師(薬系技官)

国家公務員は、総合職・一般職・専門職に分けられ、薬剤師の有資格者は、国家総合職の中の薬系技官として働くのが一般的です。
» 薬系技官とは|厚生労働省
薬系技官は、厚生労働省をはじめとする中央省庁、その関連機関で勤務します。主な配属先と業務内容は以下のとおりです。
- 厚生労働省本省:
医薬品承認審査や薬事行政企画立案、医療政策策定など - 地方厚生局:
地域医療政策推進や医療機関指導 - 検疫所:
海外からの感染症流入防止ならびに検疫業務 - 国立病院機構:
高度医療対応調剤業務や臨床研究支援
国家レベルでの政策決定に関わるため、社会的影響力の大きな仕事に携わるのが薬系技官の特徴です。

その反面、配属される部署によっては転勤が多くなる場合があります。
家族の生活環境や子どもの教育環境を優先したい場合には、単身赴任が必要になる可能性があります。
地⽅公務員薬剤師
地方公務員薬剤師は、都道府県や市町村の自治体で勤務します。以下のイラストは、主な勤務先をまとめたものです。

- 保健所:
食品衛生監視、薬局・薬店の監視指導、医薬品の適正使用推進 - 自治体病院:
一般的な調剤業務、地域医療の質向上への取り組みに参画 - 県庁・役所:
薬務行政の執行など - 衛生検査センター:
食品や水質の検査、感染症の検査・調査
地方公務員は、国家公務員と比較して地域住民と直接関わる機会が多くなります。そのため、地域の健康課題に対してより身近な立場からアプローチできるのが特徴です。

地域密着型の職務のため、自分が住む地域の健康向上に直接貢献できるやりがいが感じられます。
働きやすさの観点から地方公務員薬剤師を見ると、転勤の範囲が限定的で、子どもの学校や保育園を変える必要はほとんどありません。
安定した子育て環境を維持したい方にとって、地方公務員薬剤師は最適な職業・働き方といえるでしょう。
» 地方公務員薬剤師を辞めて後悔した話はこちら
⿇薬取締官
麻薬取締官は、厚生労働省の地方厚生局麻薬取締部に所属する特別司法警察職員です。
薬剤師の資格を活かし、麻薬や覚せい剤などの薬物犯罪を取り締まります。主な業務内容は以下の通りです。
- 薬物密売組織の摘発・捜査
- 不正薬物の鑑定・分析
- 薬物乱用防止の啓発活動
- 薬物事犯者の取り調べ・逮捕
捜査権限を持ち、逮捕や家宅捜索なども行えるため、ほかの公務員薬剤師とは大きく異なる特殊な職種です。危険を伴う業務もありますが、薬物犯罪撲滅という重要な社会的使命を担っています。
麻薬取締官として働いていた経験を持つ、先輩薬剤師へインタビューさせてもらった記事もありますので、あわせてご覧ください。
» マトリの仕事について詳しく聞いてみた!
麻薬取締官は使命感の強い仕事です。夜間や休日の業務も多く、危険を伴う捜査業務もあるため、小さな子どもがいる家庭では家族の理解と協力が欠かせません。
みなし公務員薬剤師
みなし公務員薬剤師とは、独立行政法人や公益法人など、公的な性格を持つ機関で働く薬剤師を指します。

法的には民間職員ですが、公務員に準じた身分保障や待遇が適用されます。
みなし公務員の勤務先として、以下のようなところがあげれらます。
みなし公務員の主な勤務先
- 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)
- 国立研究開発法人
- 国立病院
PMDAで勤務した場合、医薬品の承認審査や安全対策を担当します。国立研究開発法人の中で働く薬剤師は、医薬品開発や基礎研究などに従事します。
薬剤師としての専門性を活かした研究開発業務などに携わりながら、公務員に近い安定性も享受できる魅力的な選択肢です。
公務員薬剤師の給与と待遇

公務員薬剤師の給与と待遇について詳しく解説します。
公務員薬剤師の平均年収
公務員薬剤師の平均年収は、地方公務員か国家公務員によっても異なりますが、およそ530万円です。
» 公務員薬剤師の平均年収について
公務員薬剤師の給与は法律によって定められています。国家公務員・地方公務員それぞれが俸給表に基づいて支給されます。
以下の表では、新卒・中堅・管理職で比較した収入の目安をまとめました。
経験年数 | 年収目安 | 月給目安 | 備考 |
---|---|---|---|
新卒(初任給) | 300〜350万円 | 20〜25万円 | 地域・職種により差あり |
中堅(10〜15年) | 500〜700万円 | 35〜50万円 | 各種手当含む |
管理職 | 800〜1000万円 | 55〜70万円 | 役職手当等含む |
経験年数を重ねると共に昇給し、勤続10〜15年の中堅クラスで年収500万円〜700万円、管理職クラスになると年収800万円〜1000万円程度が期待できます。
令和3年賃金構造基本統計調査によると、薬剤師の平均年収は約580万円です。年収ベースでみると一般的な薬剤師よりも公務員薬剤師の年収は低いのが分かります。
» 薬剤師の年収について年齢・性別・地域・勤務先ごとに徹底解説!
一般的な薬剤師と比較すると初任給は低くなりますが、長期的な視点で見ると、右肩上がりの収入増が見込めます。
住居手当や通勤手当、扶養手当などの各種手当も充実していることから、生涯年収はそん色ありません。

公務員薬剤師の給与は、いわゆる年功序列型。勤務年数や役職に応じて収入は着実に増えます。
公務員という職業柄、ローン審査が通りやすい、社会的信用が得やすいメリットもあります。
公務員薬剤師の福利厚⽣
公務員薬剤師の福利厚生は、一般的な薬剤師と比べると非常に充実しています。基本的な社会保険制度はもちろん、以下のような福利厚生が提供されます。
休暇制度:
- 有給休暇(年間20日間)
- 病気休暇
- 特別休暇(結婚・出産・忌引きなど)
- 育児休業・介護休業制度
そのほかの制度:
- 退職金制度
- 各種手当
(住居手当、通勤手当、扶養手当など) - 研修制度(新人、主任、管理者など)
- 専門知識向上・キャリア開発支援

子育て世代に嬉しいのが、育児休業は最長3年まで取得できるところです。
復職後は、時短勤務制度により段階的に勤務時間を延ばせます。子どもの急な発熱時は、有給取得で対応可能です。
このように、公務員薬剤師は福利厚生が充実していることから、ワークライフバランスを重視した働き方が実現できます。
公務員への転職も目指せる!
公務員薬剤師になるメリット

公務員薬剤師になるメリットは、以下のとおりです。
雇⽤や収⼊が安定している
公務員薬剤師最大のメリットは、雇用や収入が安定していることです。公務員薬剤師は法律で身分が保障されており、正当な理由なく解雇されることはありません。
給料は経験年数を重ねるごとに着実に上昇し、退職金制度も手厚いことから、将来の収入予測が立てやすい点もメリットです。
社会的な信用が得やすく、住宅ローンの審査なども通りやすいため、長期的なライフプランが計画・実行できるでしょう。
社会貢献度が⾼い
公務員薬剤師は、社会貢献度が高い仕事に携われる点もメリット。薬剤師としての職能を活かしながら地域住民の健康と安全を守る重要な使命を担います。

配属先に応じて、自身の持つ能力を最大限に発揮することが求められるのが公務員薬剤師です。
自治体病院へ配属されると、医療の担い手のひとりとして医療現場で働きます。保健所や県庁・役所に配属されれば、裏方にまわって薬務行政を執行しなければなりません。
一般的な薬剤師が患者さん一人ひとりに対応するのに対し、公務員薬剤師はより規模の大きい仕事に従事します。
スケールの大きな仕事に関わることから、やりがいや達成感が得られやすく、モチベーション維持にもつながります。
プライベートと両⽴しやすい
公務員薬剤師は、プライベートと両立しやすい働き方です。原則として完全週休2日制。部署によっても変わりますが、残業は比較的少ないため、家庭や趣味の時間を確保しやすくなります。
育児休業や介護休業制度も充実しており、ママさん薬剤師にとっても働きやすい環境が整備されています。
- 産休・育休が取得しやすい
- 育休や介護からの復職支援制度が充実
- 規則的な勤務時間で学校行事へ参加しやすい
- 長期休暇中が取得できることから、子どもと過ごす時間を確保しやすい
- 保育園の送迎時間に配慮したフレキシブルな勤務体系
子育て世代では、引っ越しを要するような転勤が無いよう考慮してくれるケースが多いため、家族を優先した働き方も可能です。

子育て中は急な休みが必要になりますが、公務員薬剤師であれば、急な有給も取得しやすいです。
長期的なキャリア形成が可能
公務員薬剤師は、長期的なキャリア形成が可能です。男性はもちろん、女性のキャリア形成も実現しやすい環境が整っています。
例えば、出産・子育てによるキャリアの中断があった場合、元いた部署へすぐ戻るのではなく、時短勤務しやすい部署の中でじっくりと仕事勘を取り戻していきます。
すべての部署ではありませんが、復職マニュアルを準備しているところもあるため、安心して育児休暇が取れるでしょう。
管理職への昇進は、経験年数はもちろんですが、能力評価や業績評価を加味して行われます。子育てしているからといって減点されることはありません。

入職した自治体病院の薬局長は、子育て中の女性薬剤師でした。
公務員薬剤師になるデメリット

公務員薬剤師になるデメリットは、以下のとおりです。
初任給が低い
公務員薬剤師のデメリットとして、初任給の低さが挙げられます。一般的な薬剤師と比較すると、新卒の給与は10万円ほど低くなります。
退職金制度は充実しているものの、20代~30代の公務員薬剤師は「思ったよりも給料がもらえない」と感じることも少なくありません。

とはいえ、福利厚生の充実度や生涯年収まで考慮すると、公務員薬剤師が受けられる恩恵は大きいです。
共働きがスタンダードである現代社会においては、産休育休が取得しやすい、有給が取りやすいことの方が子育て世代にとってのアドバンテージとなるでしょう。
異動や転勤の可能性がある
公務員薬剤師は、組織の人事方針により異動や転勤の可能性がある職業です。特に国家公務員の場合は、県外への転勤も少なくありません。
人事異動は毎年行われるため、転勤のリスクは少なからずありますが、以下のような対策があげられます。
- 地方公務員として働く:
転勤の範囲が限定的になる - 人事部や上司への事前相談:
人事異動前にあらかじめ配属先の希望を伝えておく(希望通りにならないことも) - 単身赴任:
遠方への転勤では家族同伴か単身赴任か選択できる
やりがいや目指したいキャリアを優先するか、家族や大切な人との時間を大切にするかによっても異なります。家族がいる場合、よく話し合って決めることが大切です。
副業や兼業が制限される
公務員薬剤師には、副業や兼業が制限されるデメリットがあります。
ただし、あらかじめ副業の申請・許可をもらうことは可能です。近年、一定の条件下で副業を認める自治体も増えており、制度は徐々に緩和される傾向にあります。
公務員薬剤師でも許可が得られやすい副業を詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
» 薬剤師におすすめの副業7選
公務員薬剤師に転職する際のポイント

公務員薬剤師の採用条件や募集要項を以下の表にまとめました。
国家公務員 | 地方公務員 | 備考 | |
---|---|---|---|
年齢制限 | 30歳前後まで | 35歳未満が一般的 | 自治体により異なる専門職は緩和傾向 |
必要資格 | 薬剤師免許(必須) | 薬剤師免許(必須) | 国家試験合格が前提 |
試験科目 | 一般教養専門知識 面接 | 一般教養、専門知識、面接、論文 | 自治体により異なる |
募集人数 | 数名〜十数名程度 | 各自治体数名程度 | 年度により変動 |
競争倍率 | 5〜15倍程度 | 5〜10倍程度 | 人気自治体はより高倍率 |
公務員薬剤師へ転職を検討する際に押さえておきたい、以下の4つのポイントについて解説します。
年齢制限と応募要件
公務員薬剤師の応募条件として年齢制限を設けています。国家公務員または地方公務員によっても異なりますが、30~35歳までと定めているの一般的です。

ただし、人材不足の地方自治体では年齢制限を緩和している場合もあります。
公務員薬剤師になるには、薬剤師免許の取得が必須条件です。中途採用者は心配ありませんが、新卒採用の場合、国家試験に落ちてしまうと内定取り消しになってしまいます。
必要な資格とスキル
公務員薬剤師に必要な資格としては、薬剤師免許があげられます。さらに、公務員試験に合格しなければなりません。
公務員試験では、一般教養や薬剤師としての専門知識、グループワークや面接などが行われます。
行政に従事するため、論理的な思考・処理能力はもちろん、コミュニケーション能力やリーダーシップが求められます。
企画立案力なども重要なスキルです。語学力があれば、公務員試験での評価は高まるでしょう。
募集⼈数と競争倍率
公務員薬剤師の募集人数は決して多くありません。各自治体での採用人数は数名程度です。公務員薬剤師の充足感によっては、募集しない年度もあります。

競争倍率は5〜10倍程度になるのが一般的です。公務員薬剤師は狭き門なのが分かるでしょう。
特に人気の高い自治体や国家公務員は、さらに高い倍率になることも。試験難易度も高いため、十分な準備と対策が必要です。
転職成功のためのスケジュール例
公務員薬剤師への転職を目指す場合、1年くらい準備期間を設けることをおすすめします。スケジュール例を以下にまとめました。
公務員薬剤師の募集要項を確認
公務員試験の対策本を購入して勉強開始
過去問演習や面接対策を開始
※プロの指導を受けるのがおすすめ
履歴書・志望動機の作成
※プロの添削を受けるのがおすすめ
1次試験…筆記試験やグループワーク
2次試験…小論文・面接
退職願も必ず提出しておくこと
公務員試験は倍率が高いのに加え、グループワークや小論文や面接など、一般的な薬剤師が苦手とするような試験内容です。
もし可能であれば、専門的な指導を対応してくれるような講師に依頼し、プロの指導を受けることをおすすめします。
転職エージェントの活⽤⽅法

公務員薬剤師への転職を検討する際は、薬剤師専門の転職エージェントを活用するのもひとつです。

上の画像のように、薬剤師の人材不足に悩む自治体病院では、転職エージェントを経由して募集しているところもあります。
公務員試験を受験して入職する正規ルートとは異なりますが、希望する勤務エリアで募集している場合、公務員薬剤師になれる大きなチャンスです。
薬剤師専門の転職エージェントは登録料はもちろん、利用料はいっさいかかりません。
私が実際に利用している転職エージェントをまとめた記事もありますので、ぜひあわせてご覧ください。
転職相談はプロにおまかせ!
まとめ

公務員薬剤師は薬剤師としての職能を活かしながら公務に就く、社会貢献度が高い働き方です。
初任給は低いものの、生涯年収は一般的な薬剤師とそん色ありません。充実した福利厚生を考慮すると、ライフワークバランスの取りやすい働き方といえるでしょう。
特に、公務員薬剤師は子育て世代におすすめです。その理由を以下にまとめました。
- 産休育休の取りやすさ
- 有給も摂りやすく子どもの体調不良にも対応可能
- 時短勤務によるワークライフバランスの実現
- 業績次第でキャリアアップも可能
異動や転勤のリスクもあるため、家族との話し合いが大切です。初任給の低さも欠点ですが、学校薬剤師や休日夜間薬局のアルバイトなどの許可を得られれば解消できるでしょう。

公務員薬剤師への転職を考えるなら1年規模で準備することをおすすめします。
公務員試験対策は欠かせません。しかし、薬剤師専門の転職エージェントの中には、公務員求人を取り扱うところもあります。
希望する勤務エリアの求人が見つかれば、転職の大きなチャンスです。登録はもちろん、利用料金はいっさいかかりません。
事前準備に加え、転職エージェントを活用しながら転職活動を進めることで、公務員薬剤師への転職成功確率がグッとあがります。
転職相談はプロにおまかせ!
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