
- 退職ってどのタイミングで伝えるべき?
- 退職理由はどう説明しよう..
- 円満退職して終わりたい!
退職を心に決め、上司に伝えることを考え始めると、どう伝えたらいいのか不安に感じる薬剤師は多いのではないでしょうか。
円満退職の秘訣はいくつかありますが、トラブルを回避できる適切な退職の伝え方を知らないことで、円満退職どころかトラブルに発展するケースもあります。
そこで今回は、退職の伝え方を例文付きで詳しく解説。この記事を読むことで、スムーズに退職の意思が伝えらるようになり、良好な関係を保ちながら次の職場でキャリアアップが目指せます。
- 退職の伝え方のポイント
- 退職理由の具体例
- 退職を伝えるときの注意点
退職を伝えるときは、直属の上司に口頭で伝えましょう。ネガティブな理由ではなく、前向きな理由を伝えると、相手も素直に受け入れてくれます。
退職の伝え方のポイント

退職の伝え方のポイントは以下のとおりです。
退職意思は明確に伝える
退職の意思を明確に伝えることは、円満退職のための第一歩です。曖昧な表現や婉曲な言い方は避け、はっきりとした言葉で伝えましょう。

「退職したいと考えています」と意思をストレートに伝えるのがおすすめです。
退職の意思が固まっていると態度で示すのも大切です。上司の反応に関わらず、決意を変えない姿勢を保つようにしてください。
後任者への引き継ぎ業務や残務処理について協力する意思を示すなど、最後まで責任を持つ態度が大切です。
会社への感謝の言葉を添えて、丁寧に伝えることで、良好な関係を維持しながら退職の意思をしっかりと伝えられます。
退職の意思を伝えるタイミング
退職の意思は、退職日の1か月前までに伝えてください。この点を押さえつつ、以下のポイントも気をつけると、退職トラブルを回避できます。
- 繁忙期やプロジェクト最中は避ける
- 上司の余裕ある時間帯を選ぶ
- 週初めの夕方に伝える
- 金曜や週末は避ける
適切なタイミングで退職の意思を伝えられると、会社側の理解を得やすくなり、スムーズな退職手続きにつながります。
個々の状況によって最適なタイミングは異なるため、自身の状況をよく考えて判断しましょう。
» 「朝イチ」で退職の意思を伝えるのはおすすめしない理由について詳しく解説
退職の意思は対面で伝える

退職の意思は、直属の上司と顔を合わせ、直接伝えることをおすすめします。面談の時間を設けてもらい、「○○の理由で退職させていただきたいと思います」と明確に伝えましょう。
曖昧な表現やネガティブな言葉は使わないようにし、簡潔かつ分かりやすい、明確な意思表示をするのがポイントです。
希望の退職日もあわせて伝えましょう。一般的には、退職日まで1か月程度の期間を設けますが、会社の規定や状況に応じて退職日の調整が必要なケースもあります。

上司から、引き継ぎの猶予期間を相談されるケースがあります。
この際は、上司に協力する気持ちで、業務の引き継ぎスケジュール立てましょう。これまで受けたアドバイスやサポートに対する感謝の気持ちを忘れてはいけません。
良好な関係を保てると、将来のキャリアにも良い影響を与えます。上司からの質問や相談には丁寧に対応し、退職届の提出や今後の手続きも確認してください。
自己都合を理由にする
本当の退職理由が別にあったとしても、それは明かさず、個人的な事情であると説明するようにしましょう。自己都合を理由にする伝え方は、以下のとおりです。
突然のご報告となり恐縮ですが、一身上の都合により、退職を決意しました。最終出社日はx月x日を希望しております。
後任の方への引き継ぎは、最終日まで責任を持って行わせていただきますので、ご相談させていただけますでしょうか。
自己都合の退職でも問題はありません。重要なのは、会社や仕事への不満は一切言及しないことです。その代わりに、これまでの経験に対する感謝の気持ちを伝えましょう。
自己都合を理由にすると、円満な退職につながり、将来的なキャリアにも良い影響を与えます。
ネガティブな理由は避ける

詳しい退職理由を聞かれたとしても、ネガティブな理由を伝えるのは避けましょう。会社や上司・同僚に対する不満や批判は避け、個人の問題や人間関係のトラブルには触れてはいけません。

給与や待遇への不満を理由にしたり、他社からの引き抜きを理由にしたりするのも避けましょう。
具体的な退職理由を聞かれた場合、自己成長やキャリアアップなど、前向きな退職理由を伝えるのがおすすめ。「新しい分野にチャレンジしたい」「より専門性を高めたい」といった理由は、相手に好印象を与えます。
以前より興味のあった△△(新しい分野)の分野に挑戦したいと考えており、退職を決意しました。
現在の部署では、□□といった貴重な経験をさせていただき、本当に感謝しております。
ここで培った経験を糧に、新たな分野で尽力していきたいと考えております。
退職理由を説明するときは、感情的にならず、冷静にいられるよう意識しましょう。ネガティブな感情があったとしても、決して表には出さないよう心がけてください。
前向きで建設的な退職理由を伝えると、会社との良好な関係を維持できます。将来的な再就職やビジネス上のつながりを考えるうえでも重要です。
同僚や関係者への退職の伝え方

同僚やほかの医療関係者への退職の伝え方について解説します。
同僚への伝え方
同僚へ退職を伝える際は、気遣いと配慮が欠かせません。上司へ報告した後、同僚に退職を伝えるのがマナーです。一人ひとりに退職すると伝えることで、相手への敬意を示せます。
退職を伝える際は、感謝の気持ちを表しましょう。一緒に働いた時間や経験への感謝を述べると、良好な関係を維持できます。
退職の理由は簡潔に説明し、詳しく話す必要はありません。引き継ぎの協力を申し出るのも大切です。スムーズな業務の引き継ぎを約束すると、同僚の不安を和らげられます。

最終出社日も伝えておき、今後のスケジュールの見通しを立てやすくしておきましょう。
誤解を招く噂や憶測を避けるため、同じタイミングで伝えるのがベスト。挨拶回りの予定も伝えておくなど、円滑退職の努力を心がけましょう。
医療関係者や社外への伝え方
医師や看護師、卸や製薬会社の担当者など退職を伝える際は、丁寧かつ適切な方法で行うことが重要です。直接のやり取りしていたメディカルスタッフや重要な取引先には、できるだけ直接会って退職を報告しましょう。
直接会うのが難しい場合は、電話やビデオ通話を活用するのがおすすめです。退職を伝える際のポイントを以下にまとめました。
- 退職の報告
- 退職理由の説明
- 感謝の言葉
- 引き継ぎの確認
- 退職後の連絡先
業務に支障が無いよう配慮する姿勢を示すのことが大切です。取引先との関係性や業務の状況に応じて、適切なタイミングを選びましょう。会社の機密情報や内部事情については触れないよう注意してください。
【理由別】退職の伝え方の例文

退職の伝え方の例文について、以下の理由別に紹介します。
スキルアップを理由にする場合
スキルアップを理由に退職する場合、新しい技術やスキルを習得したいという前向きな意欲を伝えましょう。
この度、〇〇(特定のスキルや分野)に関する専門性をより高めたいと考え、退職を決意いたしました。つきましては、x月x日をもって退職させていただきたく、ご相談させていただけますでしょうか。
現在の部署では△△といった貴重な経験を積ませていただき、本当に感謝しております。ここで学んだことを活かし、更なるスキルアップを目指したいと考えております。
後任の方への引き継ぎは、最終日まで責任を持ってしっかりと行わせていただきます。
「これまでの経験を生かしつつ、新たなスキルを身に付けたいと考えています」といった表現が適しています。退職の意思を伝える際は、円滑な引き継ぎと残務処理への協力も忘れないようにしてください。
家庭の事情を理由にする場合

家庭の事情を理由に退職を申し出る場合、具体的な状況を簡潔に伝えると、上司や人事部門の理解を得やすくなります。
実は、家族の介護に専念する必要が生じまして、大変残念なのですが、x月x日をもって退職させていただきたく存じます。
会社にはご迷惑をおかけすることになり申し訳ありません。これまで温かくご指導いただき、本当にありがとうございました。
業務の引き継ぎは、可能な限り詳細に行いますので、ご相談させていただけますでしょうか。
どこまで話すかは状況によって変わりますが、必要最小限の情報を伝えるだけで十分です。家庭の事情として以下のような理由が挙げられます。
- 育児や介護の必要性
- 家族の転勤に伴う引っ越し
- 親の介護
- 子どもの教育環境の変更
- 配偶者の転職に伴う転居
「親の介護が必要になり、現在の仕事との両立が難しくなりました」と伝えれば、会社側の理解も得やすいでしょう。退職を申し出る際は、会社への感謝の気持ちを忘れずに伝えてください。
体調不良を理由にする場合
体調不良を理由に退職する場合は、症状や治療の必要性を明確に伝えると、会社側の理解を得やすいです。
実は、以前から体調が優れず、医師とも相談した結果、しばらく治療(または療養)に専念する必要があると判断いたしました。
大変心苦しいのですが、x月x日をもって退職させていただきたく存じます。皆様にはご迷惑とご心配をおかけし、大変申し訳ありません。
これまで、〇〇さん(上司)をはじめ、皆様には大変お世話になりました。体調を見ながらとはなりますが、引き継ぎは責任を持って行わせていただきます。
体調不良を退職理由として伝える際のポイントは、以下の4点です。
- 現在の体調不良の症状や診断名
- 治療や療養の必要性
- 業務への支障
- 回復の見通し
会社への配慮は、忘れずに伝えましょう。上司や同僚への感謝の気持ちを伝えたり、引き継ぎや残務処理への協力を申し出たりすることが大切です。
体調回復後の再就職の可能性についても触れると、丁寧な印象を与えられます。体調不良を理由に退職する場合は、自分の健康を第一に考えつつ、会社への配慮も忘れずに伝えてください。
職場が合わないと感じた場合
職場が合わないと感じた場合、退職の意思を伝える際には慎重に言葉を選ばなければなりません。不満を口にしてしまうと、将来的な人間関係や評判を損なう可能性が高くなります。
この度、自身のキャリアや適性について改めて考えた結果、大変恐縮ながら、別の環境で自身の可能性を試したいという思いに至りました。
つきましては、x月x日をもって退職を希望しております。こちらでは多くのことを学ばせていただき、感謝しております。
引き継ぎにつきましては、最終日まで責任を持って行いますので、よろしくお願いいたします。
現在の職場に不満があっても、直接的に伝えるのは避けてください。職場が合わないと感じた場合の伝える方を以下にまとめました。
- 自分のキャリアプランを見直したい
- 別の分野にチャレンジしたい
- 自分の適性が活かせる仕事を探したい
「新しい分野に挑戦したいと考えているため、退職を希望します」といった表現は、前向きかつ、相手に配慮を示せる退職理由になります。
退職を伝える際の注意点

退職を伝える際の注意点は以下のとおりです。
メールやLINEだけで済ませない

メールやLINEだけで退職の意思を伝えるのはNG行為。退職は重要な決断であり、相手が納得できるよう、丁寧に説明しなければなりません。退職の意思を伝える適切な方法は以下のとおりです。
- 直属の上司に直接会って伝える
- 伝えるタイミングを選ぶ
- 感謝の気持ちを込めて説明する
メールやLINEは便利な連絡手段ですが、退職のような重要な話には向いていません。
繁忙期や重要なプロジェクト中は避ける

繁忙期や重要なプロジェクトの最中に退職を伝えるのは避けましょう。会社への影響を最小限にする配慮が大切です。避けた方がいいタイミングは以下のとおりです。
- 年末年始や決算期
- 重要なプロジェクト進行中
- 繁忙期
繁忙期などに退職を伝えると、業務に支障をきたす可能性も。業務スケジュールや状況を考慮して、最適な時期を選びましょう。
突然の退職は避け、会社側に準備の時間を与える配慮が必要です。代替要員の確保や、引き継ぎに十分な時間を確保できるタイミングが、円満退職に欠かせない秘訣です。
会社や同僚への不満を理由にしない

会社や同僚への不満を退職理由にするのもおすすめしません。
建設的でない印象を与えてしまい、将来の再就職や転職に悪影響を及ぼす可能性があります。会社や同僚への不満を退職理由にすると以下の問題が発生します。
- 退職後の人間関係や評判を損なう
- 将来の推薦状や紹介を得られなくなる
- 業界内での評判が下がる
会社や同僚への不満を退職の理由にする代わりに、自身の成長や新しくチャレンジしたいなど、前向きな理由を考えましょう。
どうしても自分の不満を伝えたい場合、退職時の面談や離職時のアンケートを活用しましょう。感情的にならず、冷静かつ客観的な態度を保つ心がけが必要です。
退職の伝え方に関するよくある質問

退職の伝え方に関するよくある質問についてまとめました。
まとめ

退職を伝える際には、さまざまな注意点を押さえる必要があります。適切なタイミングで上司へ対面で伝えることが重要です。退職の理由は自己都とし、ネガティブな理由は避けましょう。
退職の意思は分かりやすく簡潔に伝え、同僚や取引先にも報告する必要があります。スキルアップや家庭の事情など、自身に合った適切な理由で伝えてください。
メールやLINEだけでの連絡はNG行為です。繁忙期やプロジェクト中の退職は避けましょう。会社や同僚への不満を退職の理由にしてはいけません。これらのポイントを押さえ、次につながる円満退職を実現しましょう。
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