おすすめ転職エージェントはコチラ »

【720万円返済中】薬剤師の奨学金返済がきつい…私が実践した7つの対処法

奨学金の返済、毎月きつすぎる——そう感じているのは、あなただけじゃありません。

実は私も、薬学部6年間で720万円の奨学金を借り、現在も返済中です。

毎月3万円が口座から自動的に消えていく生活。
正直、社会人になりたての頃は「これ、本当に返せるのかな…」と不安でいっぱいでした。

でも、いまでは繰上返済によって残り24回まで短縮できています。

この記事では、720万円の奨学金を抱えた私が実際にやってきた対処法を、包み隠さずお伝えします。

同じように返済で悩んでいる薬剤師さんの参考になれば嬉しいです。

目次

【薬剤師の奨学金事情】半数近くが借りている

「奨学金を借りているのは自分だけ?」と、感じるかもしれませんが、実はそうではありません。

厚生労働省の調査によると、薬学生のおよそ4割が奨学金を利用しており、その平均総額は650万円です。

つまり、職場の同僚の2人に1人は、あなたと同じように奨学金を返済しながら働いているということになります。

しかも薬学部は6年制。一般的な4年制大学より2年長く、その分借入額も大きくなりがちです。

薬学部の奨学金に関するデータ

借入総額の平均650万円
600万円以上の割合40%
1,000万円以上の割合20%
平均返済期間15〜20年
毎月の返済額3〜5万円

私の720万円という金額も、決して珍しいケースではないんです。

薬剤師の奨学金返済がきつい3つの理由

薬剤師の奨学金返済がきつい理由として、以下の3つがあげられます。

理由1. 6年制で借入額が大きくなりがち

薬剤師になるには、6年制の大学へ通わなければなりません。私立大学なら学費だけで平均1,200万円はかかります。

借りるときは「薬剤師になれば返せる」と思っていても、実際に返済が始まると現実の厳しさを痛感します。

理由2. 手取りから毎月数万円が消える

新卒薬剤師の初任給は、調剤薬局で月30万円前後が相場です。

ただし、そこから税金や社会保険料が引かれるため、手取りは20〜24万円くらいになります。

そこから奨学金の返済で3〜5万円が引かれると、残りは15〜20万円。

一人暮らしなら家賃・光熱費・食費で10万円以上かかりますし、車のローンがある人はさらにきつい…。

「働いても働いても、お金が残らない」——そんな感覚に陥る人は多いでしょう。

理由3. 将来のライフイベントとの両立

奨学金の返済期間は平均15〜16年といわれています。

新卒薬剤師であれば、24歳で社会人になるため、完済は40歳前後になります。

その間には…

  • 結婚
  • 出産・育児
  • マイホーム購入
  • 車の買い替え

など、お金がかかるライフイベントが目白押し。

「奨学金があるから結婚を躊躇してしまう」
「住宅ローンを組めるか不安」——そんな声も、実際によく聞きます。

【実体験】720万円の奨学金を借りた私の返済リアル

正直、奨学金返済がきつかった時期

私が奨学金を返済する中で、特にきつかったのは社会人1年目・3年目・4〜5年目でした。

1年目
借金720万円という現実に直面

正直な話、学生時代は「奨学金」の意味を分かっていませんでした。

この動画でも解説されているとおり、『奨学金=借金』です。

卒業して社会に出た瞬間、「自分は720万円もの借金を抱えている」という事実に気づいてショックを受けました。

毎月給料が入るのに、翌日には奨学金が引き落とされる——
通帳を見るのがちっとも楽しくない。そんな日々が始まりました。

3年目
大切な人との別れ

大学時代から交際していた相手がいました。

でも結局、お互いの奨学金が足枷となって結婚に踏み切りれず、お互いの将来のために別れるという決断をしました。

好きな人と一緒にいたいのに、奨学金のせいでそれが叶わない。あの時の悔しさはいまでも忘れられません。

4〜5年目
やりたいことを犠牲にしたのに

結婚と奨学金返済のために、新卒から勤めていた公務員を退職して薬局へ転職しました。

やりがいを感じていた仕事を捨ててまで、奨学金の返済を優先したんです。なのに、何かある度に奨学金のことを言われる——

「これ以上、何を犠牲にしろって言うんだ」
当時、そんな気持ちでいっぱいでした。

結局、その結婚も長くは続きませんでした。

転機となった行動

「このまま20年間、奨学金を返済し続けていたら、本当に楽しめる時間が過ぎ去ってしまう」

好きな人と結婚できず、その後の結婚も上手くいかなかった。私の人生って何なんだろう——。

そう思ったとき、ようやく本気で奨学金と向き合う決意ができました。

まずはじめたのは、家計簿をつけること。お金の動きを「見える化」すると、冷静に判断できるようになりました。

固定費を見直し、コンビニを使わない、浪費を減らしながら繰上返済を実践。でも、節約だけではパワー(お金)が足りない。

だからこそ、副業をはじめ、転職もしました。

結果として、年収は100万円以上アップし、素敵な方と再婚もできました。いまでは、奨学金に対するストレスはほとんど感じていません。

返済回数でいえば、240回から残り24回まで短縮できています。

奨学金返済がきつい時に使える公的制度3選

返済がきつい時、知っておいてほしいのが日本学生支援機構(JASSO)の救済制度です。

「返せない」と思っても、放置だけはNG行為。制度を使えば、状況を改善できる可能性があります。

減額返還制度|毎月の返済額を減らせる

減額返還制度は、毎月の返済額を一時的に減らせる制度です。当初の返済額を2分の1、3分の1、4分の1、3分の2のいずれかに減額できます。

減額返還制度のポイント

  • 1回の申請で12か月間適用
  • 最長15年(180か月)まで延長可能
  • 返済総額は変わらない(返済期間が延びる)
  • 第二種でも利息は増えない

「いまは厳しいけど、数年後には状況が変わりそう」という人に向いています。

災害、傷病、経済的理由などで返済が困難な場合に申請できます。

返還期限猶予制度|一時的に返済をストップ

返還期限猶予制度は、返済そのものを一時的に止められる制度。

失業した、病気で働けない、収入が激減した…そんな時に使えます。

返還期限猶予制度のポイント

  • 通算10年(120か月)まで利用可能
  • 猶予期間中は返済不要
  • 猶予期間中、利息は増えない(第二種の場合)
  • 返済総額は変わらない

「今は本当に無理」という状況なら、無理に返そうとするより、この制度を使って立て直す方が賢明です。

返還免除制度|特定の条件で返済が免除に

あまり知られていませんが、返還免除制度もあります。

ただし、適用されるのは以下のケースに限られます。

  • 本人が死亡した場合
  • 精神・身体の障害により働けなくなった場合

正直、使う機会がないのが一番ですが、万が一の時のために知っておいて損はありません。

申請方法

いずれの制度も、スカラネット・パーソナルまたは郵送で申請できます。

「返済がきつい」と感じたら、延滞する前に早めに申請しましょう。延滞してからだと、審査が通りにくくなることもあります。

薬剤師だからこそ使える!奨学金返済サポート制度

一般の人にはない、薬剤師だからこそ使える返済サポートがいくつかあります。

企業・病院の奨学金返済支援制度

近年、薬剤師の人材確保のために奨学金返済支援制度を設ける企業や病院が増えています。

支援の例

  • 毎月の給与に返済支援金を上乗せ
  • 入社時に一括で支援金を支給
  • 一定期間勤務で返済免除

とある病院では「月額最大5万円を最長6年間支給」という制度を設けています。年間60万円、6年で最大360万円の支援が受けられる計算です。

こういった制度がある職場に転職すれば、実質的な手取りが大幅に増えます。

自治体の薬剤師向け返還支援制度

薬剤師不足が深刻な地方では、自治体が奨学金返還を支援する制度も広がっています。

特に病院薬剤師を対象とした支援が多く、

  • 茨城県
  • 長野県
  • 鹿児島県

など、複数の県で実施されています。

「地方で働いてもいい」という人にとっては、奨学金を大幅に減らせるチャンスです。

JASSOの公式サイトより、奨学金返還支援を行っている自治体の一覧を確認できます。

奨学金返済を楽にする7つの実践的な方法

ここからは、私が実際にやってきた7つの対処法を紹介します。

スカラネットで返済状況を把握する

スカラネット・パーソナルの画面(一部抜粋)

まず最初にやるべきは、現状の把握です。
「あと何回で完済?」「利息はいくら?」
ここが分からないと、対策の立てようがありません。

スカラネット・パーソナルに登録すれば、

  • 返済残高
  • 返済回数
  • 利息の内訳
  • 繰上返済の手続き

などがすべてWeb上で確認・操作できます。

固定費を見直して返済資金を確保

返済を楽にする一番確実な方法は、支出を減らすこと

特に効果が大きいのが固定費の見直しです。

見直しポイント

項目見直し方法節約効果
(目安)
スマホ代格安SIMへ乗り換え5,000円/月
保険料不要な保険の解約5,000〜10,000円/月
サブスク料使用頻度の少ないサービスの解約3,000円/月
家賃社宅の利用or家賃交渉10,000〜30,000円/月

私の場合、スマホは格安SIMに変えて、保険は掛け捨て保険以外すべて解約。

転職をきっかけに社宅を利用しているので、合計で年間30万円以上の節約ができました。

固定費の見直しは大変ですが、節約効果が大きいので、ぜひ挑戦してください。

繰上返還で利息を減らす(第二種の場合)

有利子である第二種奨学金を借りている人は、繰上返還が効果的です。

繰上返還した分は、すべて元金の返済に充てられます。
つまり、その分の利息がカットされるんです。

私の場合、ボーナスが出るたびに10〜20万円ずつ繰上返還してきました。

その結果、当初240回だった返済が、残り24回まで短縮

「コツコツ繰上返還」が、結果的に大きな差を生みました。

繰上返還の方法

以下の手順で、簡単に繰上返還の手続きが行えます。

スカラネット・パーソナルにログイン
「各種届出・申請」を選択
「繰上返還」を選択
返還したい金額または回数を入力

手数料はかかりません。思い立ったらすぐに実行できます。

副業で収入の柱を増やす

支出を減らすのと同時に、収入を増やすのも大事です。薬剤師の資格を活かした副業なら、効率よく稼げます。

薬剤師の副業例

  • 派遣・パート薬剤師
  • Webライター
  • 夜間薬局のアルバイト

私の場合、Webライターをやったり、休日夜間薬局でバイトしたりしています。

薬剤師の資格を活かせる副業を選ぶことで、月5万〜10万円の副収入を得ています。

「本業+副業」の組み合わせで、返済スピードは格段に上がります。

返済支援のある職場への転職を検討

先ほど紹介した「奨学金返済支援制度」がある職場への転職も、有力な選択肢となります。

月5万円の支援が受けられると、年収60万円アップと同様の効果を感じるでしょう。

「今の職場に不満がある」「給料が上がらない」という人は、転職を検討してみる価値があります。

転職エージェント活用のおすすめ

奨学金返済支援のある求人は、一般の求人サイトでは見つけにくいことも。

転職エージェントを使えば、

  • 奨学金返済支援のある職場の紹介
  • 年収交渉を代行してもらえる
  • 非公開求人にアクセスできる

といったメリットがあります。

私自身、転職エージェントを使って年収アップに成功しました。無料で使えるので、まずは相談してみることをおすすめします。

下記リンク記事では、私が実際に利用した転職エージェントを紹介しています。ぜひ合わせてご覧ください。

ボーナス時にまとめて返済する

毎月の返済に加えて、ボーナス時にまとめて返済するのも効果的です。

私の場合、ボーナスの使い道を「返済7:貯金2:ご褒美1」と決めていました。

「全額返済に回す」のは精神的にきついので、少しは自分へのご褒美も確保。でも、大部分は返済に充てる。

このバランスが、無理なく続けられるコツでした。

「完済ゴール」を可視化してモチベ維持

長期間の返済で一番きついのは、モチベーションの維持

「あと〇〇万円」「あと〇〇回」

これを常に意識できる状態にしておくと、頑張れます。私がやっているのは、

  • スカラネットの画面を定期的にチェック
  • 完済予定日をスマホのカレンダーに登録
  • 繰上返還するたびに「残り回数」をメモ

「確実に減っている」という実感が、次の行動につながります。

奨学金を放置するとどうなる?滞納リスク

奨学金を放置するリスクは以下の通りです。

「返済がきついから、ちょっと放置しよう..」
その気持ちは分かります。ですが、放置だけは絶対にダメです。

延滞金が発生する

返済日に引き落としができないと、翌日から延滞金が発生します。

延滞金の利率は年5%程度。放置すればするほど、返済額が膨らんでいきます。

信用情報に傷がつく

3か月以上滞納すると、信用情報機関に登録されます。

いわゆる『ブラックリスト入り』こうなってしまうと、

  • クレジットカードが作れない
  • 住宅ローンが組めない
  • スマホの分割払いができない

など、日常生活に大きな支障が出ます。

給与差し押さえのリスクも..

滞納が長期化すると、日本学生支援機構から裁判所を通じて一括返済を求められることも。

それでも対応しなければ、最終的には給与の差し押さえに発展します。

連帯保証人にも請求がいくので、家族や親戚など、周りにも迷惑をかけてしまいます。

万が一、「返せない」と思ったら、放置せずにJASSOに相談してください。減額返還や猶予制度を使えば、状況を改善できる可能性があります。

まとめ:奨学金の返済はきつくても、必ず出口はある

720万円の奨学金を抱えた私が、伝えたいこと。

奨学金の返済は確かにきついでも、対処法はたくさんあります

この記事で紹介した方法を実践すれば、状況は必ず改善していきます。

今日からできること

  • スカラネット・パーソナルで現状把握
  • 固定費の見直し(返済資金の確保)
  • 転職エージェントで、返済支援のある職場を探してみる
  • 返済がきついなら、減額返還・猶予制度を検討

私も最初は「20年かけて返すのか…」と絶望していました。ですが、コツコツ繰上返還を続けた結果、残り24回まで短縮できています。

薬剤師という資格があれば、工夫次第でなんとかなる

同じように返済で悩んでいる薬剤師さんを、私は心から応援しています。一緒に頑張りましょう!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次