

在宅薬剤師って、実際どんな仕事なんだろう?
調剤薬局で毎日同じ処方をさばく日々に、モヤモヤを感じていませんか。
僕自身、モヤモヤしながら仕事をしていました。
調剤薬局時代は1日70〜80枚の処方箋をさばき、そのうち半分以上がDO処方。
かける言葉もテンプレート化して、「変わりありませんか?」「お大事にしてください」を繰り返す毎日でした。
そこから在宅薬局に転職し、年収は420万円から720万円に。
何より、「医療者として役に立てている」と、実感できる働き方に変わりました。
この記事では、在宅薬局の管理薬剤師として働く僕が、在宅薬剤師の全体像を本音でお伝えします。
この記事でわかること
- 在宅薬剤師とは何か(在宅勤務との違い)
- 仕事内容と1日の流れ
- 年収の実態(420万→720万の変遷)
- 必要な資格・スキル
- やりがいとしんどさの両面
- 向いている人・向いていない人
- 将来性と転職の方法
在宅薬剤師とは?──患者さんの”暮らし”に踏み込む薬剤師

患者さんの自宅や介護施設を訪問して、薬の管理・服薬指導を行う薬剤師のこと。
「在宅薬剤師」と聞くと、リモートワークで働く薬剤師を想像する方もいるかもしれませんが、ここで言う「在宅」は在宅医療の在宅です。

薬局の外に出て、患者さんのいる場所まで足を運ぶ仕事です。
僕は個人病院で在宅医療と出会いました。
急性期・慢性期・リハビリ・老健を持つ複合型組織で、訪問診療チームと毎日やり取りする中で、在宅医療の知識が自然と身についていきました。
その経験を通じて感じたのは、病院と在宅医療では「チームの形」がまったく違うということです。
病院はピラミッド型。医師がトップにいて、その下に各職種が配置されるイメージです。
一方、在宅医療はスクラム・円陣型。医師・看護師・ケアマネ・薬剤師・リハスタッフが、それぞれの専門性を持ち寄って患者さんを支えます。
「病院の機能を、患者さんの家に拡張した感覚」が一番近い表現です。
──このチームの形の違いが、仕事のやりがいの質を大きく変えてくれました。
在宅薬剤師の仕事内容【1日の流れを紹介】
参考までに、僕の仕事の流れを紹介します。
調剤薬局では患者さんとのやり取りが中心ですが、在宅では患者さんだけでなく、ケアマネ・医師・看護師・リハスタッフ・患者さんのご家族と日常的に関わります。

在宅薬剤師の仕事を一言で表すなら、「関わる人がグッと増える」です。
僕の薬局は薬剤師3名体制で、施設約15か所+個人宅約20名を担当しています。個人宅では寝たきりや末期がんの方など、終末期の看取りに関わることも少なくありません。
外来業務は調剤薬局と変わりませんが、在宅業務では患者さんの家の中にお邪魔するため、生活環境を含めた服薬指導が求められます。
仕事内容の詳細は、別の記事でくわしくまとめています。
▶︎ あわせて読みたい
在宅薬剤師の仕事内容(公開後にリンク差し替え)
在宅薬剤師の年収は?【420万→720万になった僕の場合】
僕自身の年収の変遷がこちらです。
結論から言うと、在宅薬剤師の年収は調剤薬局よりも高くなる傾向にあります。
転職のたびに年収が上がっています。年収が下がるような転職は一度もしていません。
なぜ、在宅薬局は年収が高くなりやすいのでしょうか。それは、門前薬局では算定できない調剤報酬があるからです。
在宅医療のニーズは増えており、居宅療養管理指導や在宅薬学総合体制加算など、専門の報酬項目が用意されています。
僕が在宅業務に本腰を入れた結果、薬局の技術料は月約200万円アップしました。努力が売上に直結し、それが給料に反映される──これは調剤薬局ではなかなか味わえない感覚です。
年収の詳しい内訳や相場は、別の記事で解説しています。
▶︎ あわせて読みたい
在宅薬剤師の年収は高い?|420万→720万になった僕のリアルな内訳
在宅薬剤師に必要な資格・スキル

「在宅薬剤師になるには、何か特別な資格が必要ですか?」
この質問をよく受けますが、答えは「薬剤師免許があれば始められます」。
特別な資格は不要です。僕自身、在宅薬局に転職したときに持っていた資格は薬剤師免許だけでした。

個人的におすすめなのはプライマリケア認定薬剤師です。
在宅医療は総合診療に近く、幅広い知識が求められます。この資格の学習範囲がまさにそこにフィットします。
僕自身はまだ取得していません(学会には所属しています)。
調剤報酬や介護報酬の知識も大切ですが、転職前に完璧にする必要はありません。僕も今でも勉強しながら仕事しているのが実態です。
学ぶ姿勢さえあれば、知識は後からついてきます。資格やスキルの詳細は、別の記事でまとめています。
▶︎ あわせて読みたい
在宅薬剤師の資格(公開後にリンク差し替え)
在宅薬剤師のやりがい──「助かりました」が聞こえる仕事

在宅薬剤師のやりがいを一言で表すなら、「医療者として頼りにされている」と実感できることです。
忘れられないエピソードがあります。
看取り段階のがん患者さんが急変したとき、担当医師から「麻薬を処方したい」と電話がかかってきました。
僕はすぐに対応し、スピーディに疼痛コントロールが行えたことで、患者さんのご家族からも、医師・看護師からも「助かりました」と言ってもらえました。
「役に立てて良かったな、また頑張ろう」と思える瞬間。これは調剤薬局では絶対に味わえない場面です。
在宅では、患者さんだけでなく医師や看護師など医療職から「ありがとう」「助かりました」と言ってもらえる頻度が、調剤薬局とは比較にならないほど多いんですよね。
やりがいについてはもっとくわしく、別の記事で語っています。
▶︎ あわせて読みたい
在宅薬剤師のやりがい(公開後にリンク差し替え)
在宅薬剤師に向いている人・向いていない人
くわしくは別の記事で解説しています。
▶︎ あわせて読みたい
在宅薬剤師に向いている人(公開後にリンク差し替え)
在宅薬剤師の将来性──なぜ今、在宅なのか

日本の高齢化が進む中、在宅医療の需要は確実に拡大しています。
僕自身、個人病院で訪問診療チームと働く中で、医療者が患者さんのいる場所まで足を運ぶ時代が来たことを肌で感じました。
病院の中だけで完結する医療から、地域全体で支える医療へ。その流れは加速しています。
正直に言えば、外来投薬だけの薬剤師に将来性があるとは思えません。患者さんやコメディカルとコミュニケーションを取り、自分の職能を発揮できる人材でなければ、この先は厳しいと感じています。
実際、僕が在宅業務に注力したことで、薬局の技術料は月約200万円アップしました。在宅業務は薬局経営にとっても大きな柱になっています。
ただし、しんどさもあります
きれいごとだけでは終わらないのが正直なところです。
僕自身、在宅医療に興味のある仲間がいない孤独感を抱えています。
在宅業務はほぼ一人で担当しており、スタッフとの間に在宅業務に対する温度差があります。
正直、続けるか迷った時期もありました。
でも、在宅業務そのものにはやりがいを感じている。「医療者らしく働けている」という感覚が、今の僕を支えてくれています。
在宅薬剤師になるには?──転職の具体的なステップ

在宅薬剤師になるには、在宅業務を行っている薬局に転職するのが最も現実的なルートです。
ここでひとつ、重要なポイント。「在宅薬局」で求人を探しても、あまり見つかりません。
なぜなら、求人サイトに「在宅薬局」というカテゴリ自体が存在しないからです。僕が今の職場を見つけたときも、「調剤薬局+在宅業務あり」という形で紹介されました。

「在宅薬局」ではなく「在宅業務あり」の調剤薬局を探すのがコツです。
ただし、「在宅業務あり」と書いてある求人でも実態はピンキリです。施設に薬を配達しているだけで、実際には在宅業務をしていない薬局もあります。
見極め方にはコツがあります。
僕はファルマスタッフ・ファーマキャリア・ヤクジョブの3社を利用し、最終的にファルマスタッフ経由で今の職場を見つけました。
転職の具体的なプロセスや、求人の見極め方は別の記事でくわしく解説しています。
▶︎ あわせて読みたい
在宅薬剤師 転職完全ガイド【未経験から始める方法】
まとめ:在宅薬剤師は「やりがい」と「年収」の両方が手に入る選択肢

在宅薬剤師は、患者さんの暮らしに踏み込む仕事です。
調剤薬局とは関わる人の数も、求められるスキルも、得られるやりがいの質も違います。楽な仕事ではありません。でも、「医療者として役に立てている」と心から思える瞬間がある働き方です。
僕自身、調剤薬局時代のモヤモヤから抜け出して、年収も420万円から720万円に上がりました。何より、毎日の仕事に意味を感じられるようになったことが一番の変化です。
もしあなたが今の働き方に疑問を感じているなら、在宅薬剤師という選択肢を知っておいて損はありません。
まずは仕事内容や年収のリアルを、以下の記事でチェックしてみてください。
▶︎ あわせて読みたい
「転職エージェントでどんな求人があるか見てみたい」という方は、僕が実際に使った3社の体験談もまとめています。

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