- 職場の人間関係や残業に疲れてしまった
- 毎日調剤業務の繰り返しでキャリアアップできるか不安
- 薬剤師の資格を生かして異業種に転職したい
薬剤師として働く中で今の職場や将来のキャリアに不安を抱えていませんか？特に育児休暇中の人は復帰後の働き方に悩みが尽きないかもしれません。この記事では薬剤師が異業種へ転職を考える理由や資格を生かせる異業種、転職の成功ポイントまでを解説します。
記事を読めば自分に合った異業種の選択肢が明確になり、理想の働き方を見つけられます。薬剤師の資格が生かせる異業種は治験コーディネーターやメディカルライターなどです。異業種への転職を検討中の人はぜひこの記事をお役立てください。
薬剤師が異業種への転職を考える理由
薬剤師が異業種への転職を検討する理由は以下のとおりです。
- 職場環境や人間関係に不満があるから
- 仕事内容やキャリアに行き詰まりを感じているから
- 長時間労働が常態化しているから
- 薬剤師の将来性に不安があるから
職場環境や人間関係に不満があるから
薬剤師が異業種への転職を考えるきっかけの一つが職場環境や人間関係の不満です。命に関わるプレッシャーや上司からのパワハラ、多職種への不満により、多くの薬剤師が今の職場から転職したいと考えています。子育てとの両立が難しいことも、薬剤師が異業種へ転職する理由の一つです。
仕事内容やキャリアに行き詰まりを感じているから
仕事内容やキャリアに行き詰まりを感じることも、薬剤師が異業種への転職を考える理由です。毎日同じ調剤業務を繰り返していたり、将来のキャリアプランが描けなかったりすると、薬剤師としてのモチベーションが低下します。仕事の成果が給与や評価に反映されにくいことも薬剤師のモチベーションを下げる要因です。
長時間労働が常態化しているから
薬剤師の仕事は長時間労働が常態化し、心身ともに疲弊しやすいため異業種へ転職したいと考える人もいます。レセプト請求や在庫管理、患者対応などが理由で、薬剤師は長時間労働を強いられる場合があります。
薬剤師の職場は人出不足に陥りやすいため有給休暇を取得しにくく、子どもの急な発熱などの緊急対応がしづらい状況です。薬剤師から異業種へ転職すると、労働環境が改善される可能性があります。
薬剤師の将来性に不安があるから
技術進歩や制度の変更によって、薬剤師の将来性に不安を感じて異業種への転職を考える人もいます。AIによる業務の自動化や医療費削減の方針など、薬剤師の業界は近年大きく変化しています。
薬剤師の将来性に関する代表的な不安は以下のとおりです。
- AIや機械に仕事が奪われるかもしれない不安
- 薬剤師増加による就職難や給料減少の可能性
- 国の医療費政策の変更によって薬局経営が悪化する不安
- オンライン服薬指導や電子処方箋など新技術対応への不安
将来性に不安を覚え、若いうちから異業種へ転職を考える薬剤師もいます。
» 薬剤師はいらないと言われる5つの理由とは？将来性を高める方法を解説
薬剤師の資格を生かせる異業種の転職先9選
薬剤師の資格を生かせる異業種の転職先は以下のとおりです。
- 医薬情報担当者(MR)
- 治験コーディネーター(CRC)
- 臨床開発モニター(CRA)
- 麻薬取締官
- 食品衛生監視員
- メディカルライター
- 一般企業の管理薬剤師
- 研究職
- 医療コンサルタント
さまざまな異業種の転職先から、自分に合う仕事を見つけましょう。
医薬情報担当者
医薬情報担当者とは製薬会社と医療機関をつなぎ、医師や薬剤師などに自社医薬品の情報を提供する営業職です。薬剤師の経験が医師や他の薬剤師との信頼関係を築くうえで強みになります。
異業種の中でも医薬情報担当者は、高い年収水準や比較的自由な働き方が実現できます。企業によっては転勤の可能性があるため、勤務地などの条件は転職前に確認しましょう。
治験コーディネーター
治験コーディネーターとは治験が正確に進むよう、医療機関で被験者や医師をサポートする専門職です。多くの患者や医師、製薬会社と関わる仕事のため、治験コーディネーターは高いコミュニケーション能力が求められます。薬剤師として培った薬の知識や患者との対話経験が治験コーディネーターに役立ちます。
治験コーディネーターの仕事内容は以下のとおりです。
- 患者への説明・相談対応
- 治験薬の管理
- 関係者間のスケジュール調整
治験コーディネーターは日勤が多く残業も少ないため、子育てしやすい異業種を探している人におすすめです。
臨床開発モニター
臨床開発モニターとは新しい医薬品や医療機器の臨床試験が、法律に沿って正しく実施されているかを監視・管理する専門職です。医薬品に関する深い知識が求められるため、臨床開発モニターは薬剤師の経験を強みとして生かせます。
臨床開発モニターの業務内容は以下のとおりです。
- 治験を行う医療機関の選定
- 医師やスタッフへ治験内容の説明
- 実施状況やデータの確認
- 報告書の作成
臨床開発モニターは在宅勤務やフレックスタイム制を導入する企業も増えており、子育てと両立しながら働けます。給与水準は薬剤師よりも高いため、臨床開発モニターに転職すると収入アップも期待できます。
麻薬取締官
麻薬取締官は薬物犯罪の捜査や違法薬物を取り締まることが主な仕事内容です。麻薬取締官の受験資格の一つに薬剤師免許があり、薬学の知識を仕事に生かせます。国家公務員という安定した異業種を探している人にとって、麻薬取締官は魅力的な転職先です。
麻薬取締官は危険な業務や犯人を捕まえるための張り込みなどをこなすため、体力と精神力が求められます。正義感が強く、社会の安全を守りたいと考える薬剤師の転職先には麻薬取締官が適しています。
食品衛生監視員
食品衛生監視員は食品の安全と衛生を守るために監視・指導を行う地方公務員です。食品衛生監視員は薬剤師の化学的成分や衛生管理に関する知識を生かせる転職先です。
食品衛生監視員は保健所や検疫所で以下の仕事を担当します。
- 施設の監視・指導
- 食中毒が起きたときの原因調査
- 輸入食品の安全性の確認
土日祝日休みで残業が比較的少ないため、食品衛生監視員は子育て中の薬剤師に適した異業種と言えます。
メディカルライター
メディカルライターは医薬品の承認申請資料や添付文書などを作成する仕事です。薬剤師としての経験や知識が書類作成に役立ちます。メディカルライターは高い文章能力や英語力が求められることもありますが、専門性を高めれば高年収を目指せます。
在宅勤務やフレックスタイム制を取り入れている企業も多いため、メディカルライターは子育て中の薬剤師が働きやすい転職先です。
一般企業の管理薬剤師
一般企業の管理薬剤師は製薬会社や化粧品メーカーなどで、医薬品を安全に扱うための管理やチェックを行う仕事です。一般企業の管理薬剤師は調剤よりも法律や品質管理の知識が求められます。求人数に限りがあるため、薬剤師経験がない人は一般企業の管理薬剤師への転職は難しい状況です。
休日が取りやすいため、ワークライフバランスを重視する薬剤師には一般企業の管理薬剤師が適しています。
研究職
研究職は薬剤師の専門知識を生かして、新薬や製品を開発する仕事です。物事を論理的に考え、研究に没頭できることが研究職の魅力です。研究職に応募するには修士号や博士号などの学歴が求められます。求人数が少ないため、薬剤師未経験から研究職への転職は難易度が高い点に注意しましょう。
研究職は以下の場所で研究開発に関わります。
- 製薬会社
- 化学・食品メーカー
- 大学などの研究機関
研究職は土日祝日休みで、フレックスタイム制を導入している企業が多いため、仕事とプライベートが両立しやすい異業種と言えます。
医療コンサルタント
医療コンサルタントは入院患者獲得や業務効率化、コスト削減などの医療機関の経営課題を解決する専門家です。薬剤師の臨床知識や経験が医療機関が抱える経営課題を解決するためのアドバイスに役立ちます。
経営やマーケティングの知識も必要なため、医療コンサルタントになるには経験豊富な薬剤師であっても常に学ぶ姿勢が求められます。医療コンサルタントは成果次第では年収アップが期待でき、将来的には独立も期待できる異業種です。
薬剤師が異業種に転職するメリット3選
薬剤師が異業種に転職するメリットは以下のとおりです。
- 調剤以外の幅広いスキルを習得できる
- 年収がアップする可能性がある
- 新たな業界で視野が広がる
調剤以外の幅広いスキルを習得できる
異業種へ転職すると薬剤師では得られない幅広いスキルを習得できます。転職先の企業や職種によって、以下のスキルが身に付きます。
- プロジェクトマネジメント
- コミュニケーション能力・交渉力
- プレゼンテーション能力・営業スキル
- ライティングスキル
- コンサルティングスキル
- 管理能力・法律の知識
- ビジネスレベルの英語力
異業種で得た幅広いスキルは薬剤師に付加価値を与え、自分の市場価値をさらに高めてくれます。
年収がアップする可能性がある
薬剤師の経験を生かして異業種に転職すると、年収が上がる可能性があります。企業によっては薬剤師の専門性が高く評価されるからです。成果が給与に反映されやすい転職先や給与水準が高い業界を選ぶと、年収が上がる可能性が高くなります。
以下の異業種に転職すると年収アップが期待できます。
- 医薬情報担当者
- 臨床開発モニターや研究職
- 外資系の製薬会社
- 実力・成果重視の職場
- 住宅手当や退職金が充実した大手企業
新たな業界で視野が広がる
異業種に転職すると薬剤師では得られなかった新しい視点が手に入り、視野が広がります。薬剤師とは違う環境に身を置くことで、医療を多角的に見られるようになるからです。異業種では調剤室や薬局では出会えなかった人とも関わりを持てるようになります。
薬剤師の経験は異業種でも人や社会の役に立ちます。異業種への転職で新しい自分を発見し、キャリアの選択肢を広げていきましょう。
薬剤師が異業種への転職を成功させるためのポイント
薬剤師が異業種への転職を成功させるためのポイントは以下のとおりです。
- 転職の目的と理由を明確にする
- 必要なスキルや資格を事前に確認する
- 企業や業界研究を徹底的に行う
- 転職エージェントを活用する
理想の職場に転職するために必ず確認しておきましょう。
転職の目的と理由を明確にする
薬剤師から異業種への転職を成功させるためには、転職の目的と理由を明確にすることから始めましょう。転職の目的があいまいだと転職活動の途中で迷いが生じたり、熱意を面接官にアピールできなくなったりしてしまいます。
異業種への転職の目的と理由を明確にするためには、以下の点を紙に書き出して整理しましょう。
- 転職理由・現状の不満
- 転職で実現したいこと
- 自分の強み
- 求める条件の優先順位
- 将来のビジョン
転職理由と目的を明確にして、自分に合った異業種を見つけましょう。
必要なスキルや資格を事前に確認する
薬剤師以外に必要なスキルや資格を事前に確認することは、異業種転職の成功につながります。薬剤師免許以外にも異業種で役立つスキルをアピールできれば、採用担当者に好印象を与えられるからです。
異業種では以下のスキルや資格が求められることがあります。
- PCスキル
- 語学力
- 普通自動車運転免許
- 公務員採用試験合格
- 情報収集・分析能力
自分の目指す異業種に必要なスキルを確認して、計画的に転職活動を始めましょう。
企業や業界研究を徹底的に行う
薬剤師から異業種への転職を成功させるためには企業や業界研究を徹底的に行いましょう。公式サイトの情報だけでは企業の内部事情や実態を十分に把握できない場合があります。業界専門誌やIR情報、口コミサイトなどを確認することで、企業を詳しく調査しましょう。
企業や業界研究を徹底的に行うことで、自分に合った異業種か判断できます。
転職エージェントを活用する
転職エージェントを活用することで異業種への転職活動が成功しやすくなります。転職エージェントを利用すると、一般公開してない求人の紹介が受けられたり、採用につながるアドバイスがもらえたりします。自分では言いにくい給与や勤務条件の交渉を代行してくれることも転職エージェントのメリットです。
転職エージェントでは以下のサポートを受けられます。
- 非公開求人の紹介
- 専門的なアドバイス
- 選考対策のサポート
- 条件交渉の代行
子育て中の薬剤師は転職エージェントを活用することで、時短勤務やリモートワーク可能な求人を見つけやすくなります。複数の転職エージェントに登録すれば求人の幅が広がり、自分に合う担当者も見つけやすくなります。
» 薬剤師がリモートワークできる職種6選とメリット・デメリットを解説
薬剤師の異業種転職で自分らしい働き方を見つけよう
薬剤師の資格や経験は異業種でも高く評価されます。臨床開発モニターや医療コンサルタントなどでは薬剤師よりも高収入を目指せる求人もあります。子育て中の人が働きやすい時短勤務やリモートワークの求人が多いことも、異業種転職のメリットです。医療以外の分野で薬剤師のスキルを生かせば、新しいやりがいや成長の機会も得られます。
薬剤師から異業種への転職は自分の強みや価値観を見直すチャンスです。転職活動に不安があるときは転職エージェントに登録して情報収集から始めましょう。転職エージェントからアドバイスをもらうことで、理想の転職先に近づきます。薬剤師から異業種に転職して、自分らしいキャリアと働き方を手に入れましょう。
コメント