

公務員薬剤師を辞めようか迷ってる…。
周りからは「もったいない」って言われるけど、本当のところどうなの?
結論から言うと、「もったいない」かどうかは、あなたが何を重視するかによって変わります。
私は4年間、地方公務員薬剤師として働いた後、民間に転職しました。
正直に言うと、辞めて後悔したこともあれば、辞めて良かったと思うこともあります。
本記事では、実際に公務員を辞めた経験をもとに、「もったいない」と言われる理由と、辞めるべきかどうかの判断基準を解説します。
この記事でわかること
・「もったいない」と言われる5つの理由
・私が公務員を辞めて後悔したこと
・【チェックリスト】辞めるべき人・残るべき人
・転職を決めたときにやるべきこと
薬剤師が公務員は「もったいない」と言われる5つの理由

まずは、なぜ「もったいない」と言われるのか、その理由を整理しましょう。

これらの理由は事実です。
ただし、それが「もったいない」かどうかは、人によって違います。
初任給が民間より10万円以上低い
公務員薬剤師の初任給は約20万円です。一方、民間の調剤薬局やドラッグストアでは約30万円が相場です。
| 初任給 | |
|---|---|
| 公務員薬剤師 | 約20万円 |
| 民間薬剤師 | 約30万円 |

月10万円の差は、年間で120万円にもなります。20代のうちにまとまったお金を稼ぎたい人にとっては、大きなデメリットでしょう。
昇給ペースが遅く、20〜30代は年収差が大きい
公務員の給与は俸給表で決まっており、年功序列で少しずつ上がっていきます。
一方、民間では実績次第で昇給スピードが早く、30代で年収600万円以上も珍しくありません。
ただし、40代以降は公務員の年収も追いつき、退職金を含めた生涯年収は約2.2〜2.4億円と、民間薬剤師とほぼ同等になります。
公務員試験の勉強が追加で必要
薬剤師国家試験に合格しても、公務員になるにはさらに公務員試験の勉強が必要です。
6年間の薬学部での勉強に加えて、一般教養や論文試験の対策まで求められるのは、正直なところかなりの負担です。

民間なら国試に受かればすぐ働けるのに、公務員だともう一段階あるんだね…。
調剤業務が少なく「薬剤師らしさ」を感じにくい
公務員薬剤師の仕事は、調剤業務よりも行政業務が中心になることが多いです。
特に保健所や県庁勤務の場合、薬局への立ち入り検査や許認可業務がメインで、患者さんと接する機会はほとんどありません。
公立病院で働く場合もありますが、人事異動によって数年働いた後に保健所で勤務するケースも。
「患者さんの役に立っている実感」を求める人には、物足りなく感じるかもしれません。
副業禁止で収入の選択肢が狭まる
公務員は法律で副業が原則禁止されています。
第百三条 職員は、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。
出典:e-Gov法令検索|国家公務員法より抜粋
民間薬剤師なら休日にパート勤務をしたり、Webライターとして活動したりと、収入を増やす選択肢があります。
公務員にはその自由がないため、「もったいない」と感じる人もいるでしょう。
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薬剤師におすすめの副業7選を詳しく解説!
でも私は公務員を辞めて後悔した【体験談】

「もったいない」と言われる理由は理解できます。でも、私は公務員を辞めて後悔しました。
ここでは、私が実際に感じた「辞めなければよかった」ことを正直にお伝えします。
公務員の福利厚生には敵わない
公務員を辞め、調剤薬局や個人病院への転職を経験しましたが、公務員の福利厚生には敵いません。
労働時間や産休・育休制度の充実、有給取得率など、どれをとっても公務員の方が圧倒的に優れています。
特に、産休・育休などの公休が取りやすい点は、ママ薬剤師にとって大きなアドバンテージです。
定年までのライフワークバランスを考えると、公務員を辞めたのはもったいなかったと思います。
生涯年収は結局変わらない
「民間の方が稼げる」と思って転職しましたが、退職金まで含めると生涯年収に大きな差はありません。
| 初任給 | 平均年収 | 生涯年収 | |
|---|---|---|---|
| 民間薬剤師 | 約30万円 | 約583万円 | 約2.3億円 |
| 公務員薬剤師 | 約20万円 | 約530〜580万円 | 約2.2〜2.4億円 |
20〜30代の年収は、民間企業で働く薬剤師の方が高くなります。
しかし、公務員は退職金が手厚く、長く働くほど差が縮まっていきます。

「いますぐ稼ぎたい」のか「長期的に安定したい」のかで、最適解は変わります。
やりがいは公務員の方が多かった
公務員時代は、市民の健康や生活を支えている実感を感じる場面が多く、やりがいのある仕事でした。
調剤薬局やドラッグストアは、20代・30代から600万円クラスの収入が得られますが、仕事内容は単調でマンネリ化しやすいのが欠点です。
あくまでも経験談ですが、公務員時代の方が自分で考えて行動できることが多くありました。
裁量の多い仕事が任せてもらえたことを考えると、公務員薬剤師の方がやりがいを感じやすいと思います。
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薬剤師がつまらないと感じたら|やりがいを取り戻す方法を解説
【チェックリスト】公務員薬剤師を辞めるべき?残るべき?

ここまで読んで、「結局どうすればいいの?」と思った方も多いでしょう。
以下のチェックリストで、自分がどちらに当てはまるか確認してみてください。
当てはまる項目にチェックを入れてください(複数選択OK)
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“本当に頼れる”転職エージェントおすすめ5社|4回の転職経験をもとに厳選!
公務員薬剤師が転職を決めたらやるべきこと

チェックリストで「辞めた方がいい」に当てはまった方向けに、転職を成功させるためのポイントを解説します。
ステップ1:転職エージェントに登録する
公務員から民間への転職は、業界の違いに戸惑うことが多いです。
私も最初は「調剤薬局の面接で何を聞かれるか分からない」「年収交渉ってどうやるの?」と不安でした。
そんなとき頼りになったのが、薬剤師専門の転職エージェントです。
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ステップ2:複数のエージェントを比較する

転職エージェントは複数登録がおすすめです。
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転職サイトを複数使うメリット・デメリットを詳しく解説!
ステップ3:在職中に転職活動を始める

公務員を辞めてから転職活動を始めるのはおすすめしません。
その理由は以下の通りです。
- 収入が途絶えると焦って判断を誤りやすい
- 「公務員を辞めた理由」を聞かれたとき、在職中の方が有利
- 内定が出てから退職時期を調整できる
転職エージェントに登録しておけば、働きながらでも効率的に求人を探せます。
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そもそも公務員薬剤師とは?3つの種類を解説

ここからは、公務員薬剤師についてまだよく知らない方向けに、基本情報を解説します。
公務員薬剤師とは、国や地方自治体の職員として働く薬剤師のことです。
公務員薬剤師は、以下の3つに大別できます。
薬系技官(国家公務員)
薬系技官の主な仕事は、薬事行政をはじめとする法律・ルールの整備です。
厚生労働省などの行政機関に所属し、薬価や診療報酬の改定、医薬品の製造管理・品質管理の監視指導などに取り組みます。
海外で働く部署もあるため、グローバルな視点で仕事ができるのが魅力です。ただし、全国転勤・海外出向の可能性があります。
麻薬取締官(国家公務員)
麻薬取締官は、厚生労働省の地方厚生局麻薬取締部で働く薬剤師です。
主な仕事は、麻薬や不正薬物の取り締まり。薬物犯罪捜査や立ち入り捜査などを行います。
捜査は危険を伴うこともあるため、逮捕術訓練や拳銃射撃訓練も行います。薬剤師の中でも特殊な仕事です。
麻薬取締官について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
» 元麻薬取締官へインタビューした記事はこちら
地方公務員
地方公務員として働く薬剤師は、都道府県や市区町村など、地方自治体の職員として働きます。
配属先の例としては、県庁・保健所・公立病院・衛生研究所などがあります。

私は4年間、地方公務員として働きました。全国転勤がないので、地元で働きたい人にはおすすめです。
民間の薬剤師と異なり、幅広い経験が積めるのが地方公務員薬剤師の特徴です。
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公務員薬剤師とは?基本情報からメリット・デメリットまで解説
公務員薬剤師に関連するよくある質問

最後に、公務員薬剤師に関連するよくある質問をまとめました。
まとめ:「もったいない」かどうかは自分次第

「薬剤師が公務員はもったいない」と言われる理由は、以下の5つです。
公務員薬剤師がもったいない理由
- 初任給が民間より10万円以上低い
- 昇給ペースが遅く、20〜30代は年収差が大きい
- 公務員試験の勉強が追加で必要
- 調剤業務が少なく「薬剤師らしさ」を感じにくい
- 副業禁止で収入の選択肢が狭まる
一方で、私は公務員を辞めて後悔した部分もあります。
福利厚生の手厚さ、生涯年収の安定、やりがいの多さなど、公務員にしかないメリットがあるのも事実です。
大切なのは、「自分が何を重視するか」を明確にすること。
チェックリストで「辞めた方がいい」に当てはまった方は、まずは転職エージェントに相談して、自分の市場価値を確認してみてください。
「残った方がいい」に当てはまった方は、今の環境で長く働く選択も、決して悪くありません。
この記事が、あなたの後悔しない選択の参考になれば幸いです。
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コタロ
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- 薬剤師9年目・管理薬剤師×学校薬剤師
- 4度の転職を経験
- 副業Webライター(くすりの窓口コラム執筆)
公務員→薬局→病院×薬局のダブルワーク→薬局(継承予定)
薬のニュース・トレンドや、副業情報・転職ノウハウを発信しています。


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