
「また調剤ミスしたらどうしよう…」
「毎朝、職場に行くのがつらい」
「こんなに苦しいのは自分だけ?」
そう感じているなら、あなたは決して甘えているわけではありません。
私は薬剤師として10年働き、4度の転職を経験しました。ひとり薬剤師として追い詰められ、パワハラで心身を壊しかけたこともあります。
だからこそ断言できます。「辞めたい」と思うほど追い詰められているなら、それは環境を見直すべきサインです。
この記事では、薬剤師がプレッシャーで「辞めたい」と感じる原因と、今日からできる対処法を解説します。まずは自分が何に苦しんでいるのか、一緒に整理していきましょう。
✔ 薬剤師が「辞めたい」と感じるプレッシャーの原因5つ
✔ 今日からできる対処法3つ(休職・相談窓口・転職)
✔ 辞めるべきかどうかの判断基準3つ
✔ 10年目薬剤師のリアルな体験談
まず確認|今すぐ環境を変えるべき3つのサイン
「辞めたい」と思っていても、本当に辞めるべきか迷う方は多いでしょう。以下の3つに当てはまるなら、すぐに環境を変えることを検討してください。
心身に不調が出ている
以下のような症状が続いているなら、心と体が限界を訴えています。
- 朝、体が動かない・起き上がれない
- 職場に向かうと吐き気がする
- 眠れない・食欲がない
- 急に涙が出る・些細なことでイライラする
何よりも大事なのは、あなた自身の健康です。体のSOSを見逃さないでください。
半年以上、同じ悩みが続いている
繁忙期の一時的なストレスなら、時間が解決することもあります。しかし、慢性的な人手不足や人間関係の問題は、放置しても改善しません。
半年以上同じ悩みを抱えているなら、それは「環境を変えるべきサイン」です。
職場に相談できる人がいない
信頼できる同僚や上司がいれば、精神的な負担は軽減されます。しかし、誰にも相談できない孤独な環境では、ストレスが蓄積する一方です。
相談相手がいないなら、外部の相談窓口や転職エージェントを頼ることも選択肢に入れてください。
薬剤師が「辞めたい」と感じるプレッシャーの原因5つ

厚生労働省の調査によると、医療・福祉分野の離職率は15.3%。薬剤師は責任の重さから「辞めたい」と感じやすい職種です。
ここでは、多くの薬剤師が感じるプレッシャーの原因5つを解説します。
①調剤ミス・インシデントへの恐怖
薬剤師にとって、調剤ミスへの恐怖は最大のプレッシャーです。
たった一つのミスが患者さんの健康被害につながり、最悪の場合は命に関わることもあります。病院では薬剤に関するアクシデントが上位を占め、ヒヤリ・ハット事例も多く報告されています。
私自身、病院勤務時代に類似名称の薬を間違えそうになった経験があります。幸い鑑査で発見できましたが、「もし気づかなかったら…」という恐怖は今でも忘れられません。
調剤過誤が不安な方は、監査システムが整った職場を選ぶことで精神的な負担を軽減できます。転職時の職場見学で確認しておきましょう。
②職場の人間関係・ハラスメント
薬剤師の職場は閉鎖的になりやすく、人間関係のストレスを感じる人が非常に多いです。
調剤薬局やドラッグストアは少人数のため関係がマンネリ化しやすく、病院では医師・看護師との連携で摩擦が生じることもあります。
私は病院勤務時代、医師から薬剤師を軽視するような発言を受けたことがあります。一度でもそういった経験をすると、精神的なダメージは大きいものです。
また、管理薬剤師や上司からのパワハラも深刻な問題です。高圧的な態度、人格否定、暗黙の残業強制など、こうした問題を一人で抱え込むと心身ともに追い詰められます。
③患者さんからのクレーム対応
服薬指導を「分かってる」と遮られる、待ち時間への不満、在庫不足への苦情など、患者対応がストレスになることも多いです。
過去に、在庫がなくすぐに薬を渡せないことを伝えたところ、「何も置いてない薬局なのね」と言われたことがありました。「困っている人の助けになりたい」と思っていても、心ない言葉に傷つくことは避けられません。
④人手不足による過重労働
厚生労働省の調査によると、病院の約7割が薬剤師10人以下、調剤薬局の約7割が3人以下で運営されています。
少人数で業務を回すため、残業の常態化、有給が取れない、欠員時の負担増加といった問題が起きやすくなります。
私も「ひとり薬剤師」を経験しましたが、急な休みも取れず、業務量は倍以上に膨れ上がりました。人手不足は個人の努力では解決できない問題であり、職場を変えるしか改善できないケースも多いです。
⑤給料と責任のアンバランス
薬剤師の平均年収は日本人の平均より高いとはいえ、「責任の重さに見合っていない」と感じる人は少なくありません。
同じ業務量でも、職場によって年収が100万円以上違うこともあります。「命を預かる仕事なのに、この給料?」という不満が積み重なると、モチベーションが下がり「辞めたい」につながります。
プレッシャーを軽減する3つの対処法

「薬剤師を辞めたい」と思うほどのプレッシャーを感じているなら、それは環境を見直すタイミングです。職場や上司が守ってくれないなら、自分で自分を守るしかありません。
①休職して心身を回復させる
「限界かも…」と感じたら、すぐに辞める前に休職を検討するのも選択肢です。職場から離れることで、冷静に今後を見直せます。
病気やケガで働けなくなったとき、健康保険から支給される手当です。
支給額:給料の約2/3
支給期間:最長1年6ヶ月
うつ病や適応障害も対象になります。国も「病気になったらしっかり休んでください」と推奨しています。
②外部の相談窓口を活用する
職場に相談しても改善されない場合は、外部の専門機関に相談するのも有効です。
✔ 労働基準監督署:ブラック企業の是正・ハラスメント対策
✔ 総合労働相談コーナー:パワハラ・セクハラ・解雇・労働問題全般
✔ みんなの人権110番(法務省):ハラスメント・人権侵害の相談
公的な相談機関はプライバシー保護を順守してくれます。証拠となる録音やメモがあると、よりスムーズに対応してもらえます。
③転職で環境を変える
せっかく取得した薬剤師免許。「辞める」だけが選択肢ではありません。今の職場が合わないだけで、あなたに合った職場は必ずあります。
転職で解決できる可能性があるケース
✔ 人間関係のストレス → 職場が変われば人も変わる
✔ 人手不足・過重労働 → 人員配置が適切な職場を選べる
✔ 給料への不満 → 待遇の良い職場は存在する
✔ 調剤ミスへの不安 → 監査システムが整った職場を選べる
ひとりで転職活動を始めるのが不安なときは、転職エージェントに相談するのがおすすめです。転職理由や希望を丁寧にヒアリングし、最適な職場を提案してくれます。
私自身、4度の転職で複数のエージェントを利用しましたが、アドバイザーとの相性は転職成功を大きく左右します。複数登録して比較することをおすすめします。
私が実際に利用したエージェントをランキング形式で紹介しています。
» おすすめの転職エージェント5選
各エージェントの詳細レビュー:
» ファルマスタッフの評判・口コミ
» ファーマキャリアの評判・口コミ
» ヤクジョブの評判・口コミ
【体験談】私が「辞める」と決めた瞬間

最後に、私自身の体験をお伝えします。2回目の転職で病院に勤めたときの話です。
突然のひとり薬剤師
ある日、人間関係のトラブルで薬剤師が立て続けに退職。私はひとり薬剤師として、セントラル業務、抗がん剤のミキシング、チーム医療、在庫管理など、すべてを一人で担うことになりました。
業務量は倍以上に膨れ上がり、急な休みも取れず、孤独感を抱くようになりました。ただ「周囲に迷惑をかけられない」という思いがあり、すぐには辞められませんでした。
パワハラが決定打に
救いだったのは、医師や看護師など周囲のスタッフの支えでした。しかし最終的には、院長と院長夫人からのパワハラが決定打となり、退職を決意しました。
人員不足を解消するよう強いプレッシャーをかけられ、人格を否定するような言葉を投げかけられる日々。次第に体に異変が現れました。
- 起き上がれないほどのめまい
- 急に涙が出て止まらない
- 眠れない
自分の危険信号に気づかず、気づいたときにはすでに限界を超えていました。
この経験を通じて、薬剤師としてのスキルは向上しました。しかしそれ以上に、「自分自身を大切にすることの重要性」を痛感しました。
まとめ:プレッシャーに押しつぶされる前に行動しよう
薬剤師の仕事はやりがいがある一方で、強いプレッシャーや職場環境の問題に悩むことも少なくありません。
私自身、ひとり薬剤師の負担とパワハラで心身の限界を迎えました。この経験を通じて、自分の健康と人生を守る選択が何より大切だと実感しています。
- 休職する:心身を回復させ、冷静に判断する時間を作る
- 外部の相談窓口を利用する:一人で抱え込まない
- 転職で環境を変える:あなたに合った職場は必ずある
責任感が強いと、「転職=逃げ」と思うかもしれません。でも、あなたを大切にしてくれない職場にこだわる必要はありません。
一人で悩んでいるなら、プロのサポートを活用することで新しい道が開けます。
私が実際に利用した転職エージェントをランキング形式で紹介しています。
転職活動の参考にしてください。
» おすすめの転職エージェント5選

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