

管理薬剤師になったら、年収は上がるのかな?
管理薬剤師というポジションに興味はあるけど、実際のところどうなのか気になっていませんか。
ネットで調べても出てくるのは制度の解説ばかりで、リアルな話がなかなか見つからない。

僕は在宅薬局で管理薬剤師をしています。
手当は月6万円、年収は720万円です。
ただし、管理薬剤師になったから年収が劇的に変わったかといえば、そう単純な話ではありません。
この記事では、現役の管理薬剤師である僕が、手当・年収・仕事内容・メリットとデメリットを本音でお伝えします。
この記事でわかること
- 管理薬剤師の仕事内容と一般薬剤師との違い
- 管理薬剤師の年収相場と、僕のリアルな手当額
- 管理薬剤師のメリット・デメリット
(現役の本音) - 管理薬剤師に向いている人・向いていない人
管理薬剤師とは?一般薬剤師との違いをわかりやすく解説

管理薬剤師の役割と法的な位置づけ
管理薬剤師は、薬機法で設置が義務づけられている薬局の責任者です。
薬局を開設するときは、必ず管理薬剤師を1名置かなければなりません。調剤薬局だけでなく、ドラッグストアや製薬企業でも管理薬剤師の配置義務があります。
主な役割は、医薬品の在庫管理、従業員の監督・指導、法令遵守の確認です。薬局で何か問題があったとき、現場の責任者として経営者に意見を伝える義務も負います。
一般の薬剤師が「プレイヤー」だとすれば、管理薬剤師は「プレイヤー兼現場責任者」といえるでしょう。
調剤や服薬指導をこなしながら、薬局全体の管理業務も担います。
管理薬剤師になるための要件
管理薬剤師になるために、法律上の明確な資格要件はありません。
ただし、実務経験5年以上、認定薬剤師の取得が推奨されています。薬局の規模や方針によっては、経験年数や実績を重視するところもあります。

僕の場合は、転職2年目で管理薬剤師に就任しました。
もともと経営者候補として入社していたため、想定内の流れです。
前任の管理薬剤師が60代で、パート勤務に切り替わるタイミングでの引き継ぎでした。
管理薬剤師になるルートは、
- いま勤めている薬局で昇進する
- 管理薬剤師として転職する
の2つです。僕のように、経営に近い距離で働きたいという目的で個人薬局を選ぶケースもあります。
管理薬剤師の年収と手当|僕のリアルな数字を公開

管理薬剤師の平均年収と手当の相場
中医協の調査によると、管理薬剤師の平均年収は約726万円です。
薬剤師全体の平均年収が約599万円(厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」)ですから、約130万円の差があります。
管理薬剤師手当の相場は、月5万円前後が一般的です。薬局の規模や地域によって差があるため、月10万円を超えるところもあります。
管理薬剤師手当だけでは、年収が大幅に変わりません。月5万円の手当でも年間60万円のプラスにとどまります。
そのため、薬剤師全体の平均年収との差(130万円)は、管理薬剤師の手当だけでは説明できません。

残りの差額は、薬局の収益構造や地域、経験年数によるものが大きいです。
僕の場合:手当月6万円、年収720万円になるまで
僕の年収の変遷をお伝えします。
- 公立病院:約420万円
- 調剤薬局:約520万円
- 個人病院:約600万円
- 在宅薬局:約720万円(現在)
管理薬剤師手当は月6万円、年間で72万円です。でも、手当だけで720万円になったわけではありません。
在宅業務が増え、地域支援体制加算が算定できるようになった実績を加味してもらった結果、現在の年収まで上がりました。
在宅薬局では、居宅療養管理指導などの報酬を算定できるため、1件あたりの売上が外来よりも高くなります。

正直に言うと、管理薬剤師手当だけで年収が劇的に変わるのは、期待しないほうがいいです。
どれだけ薬局の売上に貢献できたかどうかによって年収が決まる、という意識で働くのが大切です。
管理薬剤師の仕事内容|在宅薬局の場合はこう変わる

どの薬局でも共通する管理薬剤師業務
管理薬剤師の業務は、どんな薬局でも共通しているものがあります。
在宅薬局の管理薬剤師ならではの業務
在宅薬局で管理薬剤師をしていると、先ほど解説したの業務に加えて「売上に直結する行動」ができる点が大きく違います。

僕の場合、在宅業務に本腰を入れた結果、月間の技術料が約200万円アップしました。
薬局の主な収入源(技術料)の変化が、僕個人の年収にも直結する仕組みになっていることに気がつきました。
きっかけは、ある診療所から末期がんの患者さんの看取り対応を相談されたことです。
前任の管理薬剤師は人員不足を理由に断ろうとしていました。でも、僕は「担当させてください」と手を挙げた。
新規の依頼を断る理由はないと思ったからです。
担当者会議の帰り際、診療所の看護師さんがスマホを患者宅に忘れたことがありました。僕がその診療所まで届けたところ、非常に感謝されて。
ーー後日、その看護師さんが実は診療所の経営者だったと判明しました。
「今後、うちが診察する患者さんの対応もお願いできないか」と打診をいただき、在宅件数が大幅に増えました。
この流れで、地域支援体制加算の算定要件もすべて満たせたんです。

在宅薬局の管理薬剤師は、自分の行動次第で薬局の売上を変えられます。
これは調剤薬局の管理薬剤師ではなかなか経験できないことだと思います。
少し話は変わりますが、僕が在宅薬局の求人を探したときに使ったのが、ファルマスタッフです。
「在宅薬局に転職したい」と伝えたら、在宅業務ありの調剤薬局をいくつか紹介してもらい、いまの薬局へ転職するのを決めました。
▶︎ あわせて読みたい
ファルマスタッフの評判|2回使った薬剤師が本音で語るメリット・デメリット
管理薬剤師のメリット・デメリット|現役が語る本音

メリット:手当・経験値・転職での評価
管理薬剤師手当は、確実な年収アップの手段です。

僕の場合は月6万円、年間72万円の年収アップになります。
大きな額ではないかもしれませんが、基本給が変わらなくても手取りは確実に増えます。
在庫管理、売上管理、行政対応、スタッフ指導。これらの経験は、次の転職で「マネジメント経験あり」として評価されます。
管理薬剤師としての実績は、ほかの薬局やドラッグストアなどへ転職するときのプラス評価になることも。
これは在宅薬局に限った話ですが、管理薬剤師として在宅件数を増やせば、薬局全体の売上構造を変えられます。
自分の行動が数字に表れるのは、やりがいとして大きいです。
デメリット:裁量の限界と副業制限
正直に書きます。管理薬剤師になったからといって、裁量が大幅に増えるわけではありません。
僕の場合、上に社長補佐がいるため、特にお金がかかることは了承がなければ動けないです。
肩書きは「管理薬剤師」でも、経営判断には関与できません。これは個人薬局ならではの構造かもしれませんが、「管理薬剤師=経営に近い」と思い込むのは危険です。
転職前に薬局の経営構造を確認しておくことをおすすめします。
管理薬剤師は、薬機法により原則1か所のみでの勤務が求められます。ほかの薬局で薬剤師として働く副業は、市長(保健所)の許可がなければできません。
副業で収入を補いたい方には、この制限は大きなデメリットでしょう。
在宅薬局で管理薬剤師をしていると、チーム全員が同じ方向を向いているとは限りません。
僕の場合、在宅業務はほぼ一人で担当しています。在宅医療に興味のある仲間がいない孤独感は、正直しんどいときも。

ただし、在宅業務そのものにはやりがいを感じています。
「医療者らしく働けている」という感覚が、続ける支えになっています。
管理薬剤師に向いている人・向いていない人
向いている人
- ビジネスマインドの高い人:
管理薬剤師は薬局の売上を把握する立場です。
「自分の仕事が薬局の数字にどう影響しているか」を考えられる人は、やりがいを感じやすいと思います。 - マネジメントに興味がある人:
在庫管理、スタッフ指導、行政対応など、
プレイヤー以外の業務に抵抗がない人は向いている。 - 在宅業務を主導したい人:
特に在宅薬局の管理薬剤師なら、在宅件数の拡大や地域連携を自分で推進できる。行動力のある人にぴったりです。
向いていない人
- 肩書きだけで年収アップを期待する人:
管理薬剤師手当はあくまでも月数万円。
「管理薬剤師になれば稼げる」という期待だけだと、現実とのギャップに苦しむかも。 - 大きな裁量が欲しい人:
薬局の規模や経営者の方針によっては、管理薬剤師でも裁量が限られる。
経営に関与したいなら、転職先の経営構造を事前に確認することが大切です。 - 現状に満足している人:
管理薬剤師は業務量が増えるポジション。
いまの働き方に不満がなく、プレイヤーとして働き続けたい人には、あえて目指す必要はありません。

僕の本音としては、管理薬剤師は「給料アップの手段」として選択肢に入れる価値はあります。
でも、肩書きに期待しすぎないこと。大事なのは、どんな薬局で管理薬剤師をやるかです。
管理薬剤師に関するよくある質問

まとめ:管理薬剤師は「手段」として考えよう

管理薬剤師の手当は月3〜6万円。僕の場合は月6万円で、年収は720万円です。
ただし、手当だけで年収が劇的に変わることは期待しないほうがいいです。
僕の年収が720万円になったのは、在宅業務の報酬が乗った結果。管理薬剤師手当は、その一部にすぎません。
「管理薬剤師=キャリアアップ」とは言い切れない。裁量も限定的な場合があります。
でも、在宅薬局で管理薬剤師をやるなら、自分の行動で売上を変えられます。年収もやりがいも、手に入れられる可能性があるのです。
管理薬剤師を目指すなら、「どんな薬局で管理薬剤師をやるか」が最も重要です。肩書きよりも、環境選びにこだわってください。
▶︎ あわせて読みたい
在宅薬剤師の年収についてもっと詳しく知りたい方はこちら
もし在宅薬局の求人に興味があるなら、まずは求人を見てみるだけでもOKです。僕が現職を見つけたのも、ファルマスタッフで「在宅業務あり」の求人を探したことがきっかけでした。
在宅薬局の求人多数あり
関連記事

コタロ
@
- 薬剤師11年目・在宅薬局の管理薬剤師
- 4度の転職を経験
- 年収400万→720万円までアップ
- くすりの窓口コラム執筆中
公務員→薬局→病院×薬局のダブルワーク→在宅薬局(継承予定)
薬剤師の仕事や不満について本音で発信しています。

コメント