

薬剤師の職場って、病院・薬局・在宅といろいろあるけど、実際はどう違うんだろう。
いまの職場しか知らないと、ほかの職場がどんな場所なのか、なかなか想像できませんよね。
僕は、公立病院・個人病院・調剤薬局・在宅薬局と、4種類の職場で働いてきた薬剤師です。いまは在宅薬局で管理薬剤師をしています。
この記事では、4種類の職場を「お金」「誰と働くか」「仕事の中身」の3つで比べます。求人票やランキングではなく、実際に働いた僕の目で見た違いをお伝えします。
この記事でわかること
- 薬剤師の職場4種類(公立病院・個人病院・調剤薬局・在宅薬局)の違い
- それぞれの職場でよかったこと・合わなかったこと
- 4種類の職場を比べた表(お金・誰と働くか・仕事の中身・満足度)
- 職場の満足度を決めたものと、見学で確かめたいこと
薬剤師の職場の種類|僕が働いた5か所・4種類

最初に、僕が働いてきた職場を順番に紹介します。
公立病院から在宅薬局までの順番
- 地元の公立病院(新卒)
- 調剤薬局
- 個人病院(このころから、別の調剤薬局でダブルワーク)
- 調剤薬局(ダブルワーク先でフルタイムに)
- 在宅薬局(いまの職場)
働いた場所は5か所で、種類でいうと4種類です。調剤薬局は2か所で働きました。ここからは、時系列ではなく職場の種類ごとに紹介します。
この記事で比べる職場・比べない職場
薬剤師の職場には、ほかにもドラッグストアや製薬企業、行政などがあります。僕はそこでは働いていないので、この記事では実際に働いた4種類だけを比べます。
企業や行政で働く薬剤師の仕事は、取材した記事で紹介しています。たとえばCRA(臨床開発モニター)や麻薬取締官の記事です。
比べる物差しは3つ
4種類の職場は、次の3つで比べます。
- お金:年収と福利厚生
- 誰と働くか:社長や上司、一緒に働くスタッフ
- 仕事の中身:毎日の業務が面白いか、学べるか
薬剤師の職場①公立病院|福利厚生は過去一番・初任給は低い
新卒で入ったのは、地元の公立病院です。公務員として働きました。
よかったこと:福利厚生と、信頼できる人たち
公務員扱いだったので、福利厚生はしっかりしていました。これまでの職場で、いちばんです。
一緒に働く人も、信頼・尊敬できる人が多かったです。もちろん、合わない人もいましたが。
仕事の中身も、面白く、充実していました。
合わなかったこと:初任給の低さ
初任給の低さが、いちばんの難点でした。
公立病院で働いていたころの年収は、約420万円です。4種類の中で、いちばん低い金額でした。

人にも仕事にも恵まれていました。お金のほかは、4種類の中でいちばん満たされていた職場かもしれません。
見学で確かめたいこと
公立病院を考えるなら、福利厚生と給料のバランスを求人票で見比べておきましょう。僕が公立病院を離れたときの気持ちは、公務員薬剤師はもったいない?で書いています。
薬剤師の職場②個人病院|あらゆる業務と在宅医療を学べた
病院は、公立病院のほかにもう1か所。個人病院でも働きました。
よかったこと:あらゆる業務の経験と、素晴らしいドクター
個人病院では、薬剤師の仕事をひととおり経験できました。そして、ここで在宅医療を学べました。
病棟のドクターや往診するドクターは、素晴らしい人たちでした。ひとりで悩んでいた僕を気にかけて、話を聞いてくれた医師もいます。一度は「残ろうかな」と思ったほどです。
合わなかったこと:ひとり薬剤師と、院長との関係
一方で、薬剤師は僕ひとりで、相談できる相手がいませんでした。院長とは合わず、院長や院長夫人からの心ない言葉が、辞める決め手になりました。

同じ病院の中でも、院長とは合わず、ドクターたちは素晴らしかった。「誰と働くか」で見え方がまるで変わる職場でした。
見学で確かめたいこと
個人病院を考えるなら、薬剤師が何人いるか、困ったときに相談できる相手がいるかを確かめてください。
薬剤師の職場③調剤薬局|仕事は面白くない、でも人に恵まれた
調剤薬局では、2か所で働きました。1か所目は公立病院のあと、2か所目は個人病院にいたころからのダブルワーク先です。
仕事そのものは面白くなかった
正直に書くと、仕事そのものは面白くありませんでした。2か所とも同じです。
社長さん・スタッフさんに恵まれた
それでも、2か所とも満足度は高かったです。理由は、社長さんやスタッフさんに素敵な人が多かったからです。
仕事が面白くなくても、一緒に働く人がよければ、職場の満足度は高くなる。調剤薬局の2か所で、僕はそう感じました。
見学で確かめたいこと
調剤薬局を考えるなら、社長さんやスタッフさんの雰囲気を見てください。仕事の中身は求人票でも分かりますが、人の雰囲気は行ってみないと分かりません。
薬剤師の職場④在宅薬局|年収は1位、でも人が合わない
いま働いているのは、在宅薬局です。
在宅の業務はいい
4種類の中で、年収がいちばん高いのがいまの在宅薬局です。年収は約720万円になりました。
仕事の中身は、在宅の業務はいいと思っています。在宅の仕事がどんなものか気になる方は、在宅薬剤師とは?を先に読んでみてください。
信頼・尊敬できる人が少ない職場
ただ、いまの職場では、信頼・尊敬できる人がほとんどいません。社長の考え方も昔ながらで、僕とは合いません。
在宅の業務はほぼ一人で担当していて、同じ志を持つ仲間がいないことにストレスを感じることもあります。
実は、いまの職場は見学をしないまま入社しました。そのことを、いまも後悔しています。
見学で確かめたいこと
在宅薬局を考えるなら、社長の考え方と、一緒に在宅を回す人がいるかを確かめてください。
薬剤師の職場4種類を比べた表|お金・誰と働くか・仕事の中身

4種類の職場を、3つの物差しと満足度で並べてみます。
| 職場 | お金(年収の順位) | 誰と働くか | 仕事の中身 | 満足度 |
|---|---|---|---|---|
| 公立病院 | 4位(福利厚生は過去一番) | ◎ 信頼・尊敬できる人が多い | ◎ 面白く充実していた | お金のほかは、いちばん満たされていた |
| 個人病院 | 2位 | △ 院長とは合わず・ドクターは素晴らしい | ◎ あらゆる業務・在宅医療を学べた | 辞めたいと思った2番目の職場 |
| 調剤薬局 | 3位 | ◎ 社長さん・スタッフさんが素敵 | × 面白くなかった | 高かった |
| 在宅薬局 | 1位 | × 信頼・尊敬できる人がほとんどいない | ○ 在宅の業務だけはいい | いちばん辞めたいと思った職場 |
※ ◎○△×は、僕が働いて感じたものです。
年収の順位は、在宅薬局、個人病院、調剤薬局、公立病院の順です。4回の転職で年収がどう変わったかは、在宅薬剤師の年収は高い?で内訳まで出しています。
一方で、満足度の並びは年収の順位と一致しません。満足度が高かった公立病院と調剤薬局は、どちらも「誰と働くか」が◎の職場でした。
薬剤師の職場の満足度|年収1位でも満足度1位ではなかった

表を見比べると、あることに気づきます。
調剤薬局と在宅薬局の逆転
調剤薬局といまの在宅薬局は、ちょうど逆になっています。
- 調剤薬局:仕事は面白くない。でも人に恵まれて、満足度は高かった
- 在宅薬局:年収は1位で、在宅の業務もいい。でも人が合わない
職場の満足度を決めたのは、職場の種類でも年収でもなく、「誰と働くか」でした。
人に恵まれた公立病院でも、初任給の低さは僕にとって大きな難点でした。お金も、仕事の中身も大事です。それでも、職場環境の中でいちばん差が出るのは一緒に働く人でした。人が合わないと、毎日の仕事は楽しめません。
職場の種類より、中の人を見学で確かめる
お金と仕事の中身は、求人票である程度分かります。でも、一緒に働く人は、行ってみないと分かりません。
見学では何を聞き、どこを見ればいいのか。僕が6か所見学して分かったことを、調剤薬局の見学で聞く質問にまとめています。
いまの職場を辞めたいとき
いまの職場で「誰と働くか」に悩んでいるなら、辞めたいと思うのは自然なことです。そんなときの僕の考えは、薬剤師を辞めたいと思ったらに書きました。
薬剤師の職場の種類のまとめ|決め手は「誰と働くか」
4種類の職場で働いて比べた違いを、お伝えしました。
- 公立病院は福利厚生が過去一番。ただし初任給は低い
- 個人病院はあらゆる業務と在宅医療を学べた。院長とは合わなかった
- 調剤薬局は仕事が面白くなかった。それでも人に恵まれて満足度は高かった
- 在宅薬局は年収1位で、在宅の業務はいい。でも人が合わない
- 職場の満足度を決めたのは「誰と働くか」。見学で自分の目で確かめる
職場の種類で迷ったら、「どこで働くか」だけでなく、一緒に働く人を見てみてください。
見学に行きたい職場が見つかったら、見学や面接の段取りは転職エージェントに任せられます。僕が実際に使ったときの話をまとめました。
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