

病院を辞めて、薬局に移りたい。でも、病院で身につけた経験がむだになってしまいそうで怖い……。
病院の仕事に疲れて薬局への転職を考えても、「病院での経験が生かせなくなるのでは」と迷う方は多いと思います。
僕も、病院を辞めると決めたときは、臨床から離れることに不安がありました。
僕は薬剤師になって10年、病院から薬局へ2回移りました。1回目は公立病院から調剤薬局へ。2回目は個人病院から、パートで働いていた調剤薬局へ。そのあと、いまの在宅薬局に移り、管理薬剤師をしています。
僕の答えは、こうです。病院の経験が生きるかどうかは、移る先しだい。調剤薬局では「毎日同じ繰り返し」がつらく、在宅薬局では病院の経験が生きました。
この記事でわかること
- 病院から調剤薬局に移って感じた「毎日同じ繰り返し」
- 在宅薬局で病院の経験が生きた場面
- 在宅薬局にも残る、外来の投薬の繰り返し
- 移る前に確かめてほしい「誰と働くか」
病院薬剤師から調剤薬局へ転職|「毎日同じ繰り返し」のつらさ
1回目の転職は、新卒で入った地元の公立病院から、調剤薬局への転職でした。

公立病院を離れたときの気持ちは、公務員薬剤師はもったいない?に書いています。
調剤・監査・投薬・記録の毎日
調剤薬局でつらかったのは、毎日同じ仕事の繰り返しだと気づいた瞬間です。
調剤して、監査して、投薬して、記録を残して。
そんな毎日がこの先40年くらい続くと考えると、耐えられる自信がありませんでした。
人に恵まれても残った物足りなさ
誤解のないように書いておくと、職場が悪かったわけではありません。社長さんもスタッフさんも素敵な人が多く、満足度は高い職場でした。
それでも消えなかったのが、仕事そのものの物足りなさです。公立病院の仕事は面白く、充実していました。そのぶん、差を大きく感じたのでしょう。

調剤薬局の仕事が合う人もいます。僕には、同じ流れが続く毎日が合わなかったのだと思います。
病院薬剤師の経験が生きた在宅薬局|訪問先と訪看さんとのやりとり
調剤薬局のあと、僕は個人病院で働きました。薬剤師の仕事をひととおり経験し、在宅医療もここで学べました。個人病院を辞めたあとは、パートで働いていた薬局でフルタイムで働き、そのあと在宅薬局へ移りました。

訪問先や訪問看護師さんとのやりとり
在宅薬局では、施設や個人のお宅に伺い、訪問看護師さん(訪看さん)ともやりとりします。こうした場面で困らないのは、病院時代のあらゆる経験が生きているからだと思っています。
- 専門用語や言葉が通じる
- 相手がこの先どう動くかが読める
- 点滴や医療機器の話についていける
知識や作業の面でも同じです。点滴、医療用麻薬、医療機器、カルテの読み方。病院で身につけたことは、どれも在宅薬局で役に立っています。
病院で働いた経験は、在宅で医師や看護師と一緒に働くときの土台になっています。在宅の仕事の中身は、在宅薬剤師の仕事内容で1日の流れに沿ってまとめました。
在宅薬局にも残る繰り返しの仕事
ただ、在宅薬局に移れば毎日が変わる、というわけではありません。いまの職場でも、外来の投薬は調剤薬局のころと同じ流れです。
病院の経験が役に立つのは、訪問や訪看さんとのやりとりのような、在宅ならではの仕事のほうです。移る先を選ぶときは、在宅の仕事がどのくらいあるかも見ておくと安心でしょう。

臨床から離れるのが不安なら、行き先の候補に在宅薬局を入れてみてください。在宅薬剤師の全体像は在宅薬剤師とは?で解説しています。
病院薬剤師が薬局へ転職する前に|確かめたいのは「誰と働くか」
病院から移ろうとしている後輩がいたら、僕が「これだけは確かめて」と伝えたいのは、一緒に働く人の人柄です。社長、薬剤師、事務さん。どんな人と働くかで、職場の満足度は大きく変わります。

満足度を左右した「誰と働くか」
僕の経験を2つ並べてみましょう。
- 調剤薬局:仕事は面白くなかったが、人に恵まれて満足度は高かった
- いまの在宅薬局:在宅の仕事はいいが、人が合わない
病院の経験を生かせるかどうかと同じくらい、誰と働くかは大切です。4種類の職場を比べた話は、薬剤師の職場の種類にまとめています。
人柄を確かめる見学
求人票には、働く人の人柄までは書かれていません。確かめるなら、見学で実際に職場を見て、働いている人と話してみるのがいちばんです。
僕はいまの職場に、先方の都合で見学ができないまま入りました。人が合わないと感じるいまは、そのことを後悔しています。
見学で何を聞けばいいかは、調剤薬局の見学で聞く質問に、6か所見学して分かったことをまとめています。
見学の日程を決めるのが負担なら、転職エージェントに頼む方法もあります。僕が2回使ったときの話はこちらです。
病院薬剤師の転職でよくある質問|経験はむだになる?
病院から薬局へ移ろうとしている方が、迷いやすいことに答えます。
病院薬剤師から薬局・在宅へ転職するまとめ|仕事の中身と誰と働くか
病院から薬局へ2回移った僕の経験から、病院の経験を生かせる移り方をお伝えしました。
- 調剤薬局では「調剤・監査・投薬・記録」の繰り返しがつらかった
- 在宅薬局では、訪問先や訪看さんとのやりとりで病院の経験が生きた
- 在宅薬局にも、外来の投薬の繰り返しは残る
- 移る前に確かめたいのは、一緒に働く人の人柄
臨床から離れるのが不安なのは、僕も同じでした。行き先を選べば、病院で身につけた力は次の職場でも生かせます。
病院を辞めたい気持ちの整理には、薬剤師を辞めたいと思ったらという記事も読んでみてください。在宅薬局への転職の進め方は、在宅薬剤師への転職ガイドにまとめています。

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