

何年働いても、給料がほとんど変わらない……。このまま、いまの職場にいていいのかな。
毎年の昇給が数千円ほどで、この先も上がる気がしない。そんなふうに感じていませんか。
僕は薬剤師になって10年、4種類の職場で働いてきました。年収は約420万円から約720万円に。ただ、振り返ると、給料の上がり方は職場ごとにまったく違いました。
この記事では、そのうち3つの職場の上がり方を並べて、給料が上がらないときにどう動けばいいかをお伝えします。先に書くと、上がり方は職場ごとの決まりしだいです。まずいまの職場で上がる道があるかを確かめ、なければ動く。ただ、給料だけで職場を決めると後悔する。これが僕の答えです。
この記事でわかること
- 3つの職場で違った、給料の上がり方
- 「入るときの年収」と「入ってからの上がり方」の違い
- いまの職場で、給料が上がる道を確かめる方法
- 職場を移る前に確かめておきたい3つのこと
- 年収がいちばん高い職場で、満足できなかった僕の話
薬剤師の給料が上がらないのは職場の決まり|3つの職場で違った上がり方
同じ薬剤師でも、給料の上がり方は職場の決まりで変わります。僕が働いた3つの職場を順に紹介します。

公立病院|給料表で見えていた先
新卒で入った公立病院は、公務員の給料表に沿って給料が決まっていました。昇給は1年に数千円から1万円ほどで、3年たっても基本給は約2万円しか上がっていません。
給料表を見ると、何年目にいくらになるかが分かります。何年目にいくらになるかが、最初から見えていた。それが公立病院の上がり方でした。
病院の給料のくわしい中身は、給与明細を使って書いた記事「病院薬剤師の年収は低い?」で紹介しています。
個人病院|入るときだけ良かった年収
調剤薬局をはさんで移った個人病院では、転職エージェントの担当者が年収を交渉してくれたこともあり、年収は約520万円から約600万円に上がりました。
ところが、入ってからは給料がほとんど変わらないまま。入るときの条件は良くても、そのあと上がっていくかは別の話だったのです。
在宅薬局|管理薬剤師の手当で上がり、ほかは社長しだい
いまの在宅薬局では、社長に、どうすれば給料が上がるのかを直接聞きました。返ってきた答えは、管理薬剤師になれば手当がつくというものでした。実際に管理薬剤師になり、手当が月6万円つくようになりました。
ただ、ほかに何をすれば上がるのかは、はっきりした答えがありませんでした。年収は上がりましたが、上がり方は社長の判断しだいです。いまの職場は年俸制で、何をどれだけ評価するかの決まりは、はっきりしていません。
在宅薬局の年収の内訳は、「在宅薬剤師の年収は高い?」で書いています。
入るときの年収と、入ってからの上がり方は別物
3つの職場を比べて分かったのは、入るときの年収と、入ってからの上がり方は別物だということです。求人票の年収だけを見て決めると、入ったあとに「上がらない」と悩むことになります。
薬剤師の給料が上がらないときはまず確かめる|いまの職場で上がる道
給料が上がらないと感じたら、すぐに辞める前に、いまの職場で上がる道があるかを確かめてみてください。確かめ方は次の3つです。上の2つは、僕が実際にやったことです。
上司や社長に、どうすれば上がるかを聞く
いちばん早いのは、上司や社長に直接聞くことです。聞きにくいかもしれませんが、僕は社長に聞いたことで、管理薬剤師の手当という道があると分かりました。
僕の職場も、手当のほかは、はっきりした答えがありませんでした。答えがはっきりしないことも、その職場を知る手がかりになります。
先輩の給料から、自分の先を見る
5年先、10年先の先輩がいくらもらっているかは、自分の将来の給料の目安になります。公立病院では、給料表を見ればそれが分かりました。
先輩の給料が、自分の望む額に届いていない。それなら、その職場で働き続けても、大きくは上がらないと考えておいたほうがいいでしょう。
役職の手当があるかを見る
役職につくと手当がつく職場もあります。国の統計では、調剤薬局の管理薬剤師の平均年収は約726万円で、管理薬剤師ではない薬剤師の平均(約480万円)より高くなっています。
※中央社会保険医療協議会「第25回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告」(2025年11月公表)。法人の保険薬局の2024年度の数字で、常勤1人あたりの給料と賞与の合計を万円未満で四捨五入しています。
ただ、これは平均の数字で、年齢や経験年数ごとの内訳はありません。役職につけば、この差のぶんだけ上がるわけではありません。自分の職場で、どの役職にいくらの手当がつくのかを聞いてみてください。
3つを見ても、上がる道が見つからなかった。そのときは、職場を移ることを考えてよいと思います。
薬剤師の給料が上がらない職場なら動く|入る前に確かめる3つ
職場を移るなら、同じ悩みをくり返さないように、入る前に上がり方を確かめておきましょう。僕の失敗もふまえて、次の3つをすすめます。

面接や見学で聞く昇給の仕組み
面接や見学では、何年目でいくらになるか、何を評価されて上がるのかをたずねてみてください。入るときの年収だけでなく、入ってからの上がり方を聞くのがポイントです。
僕はいまの職場に入るとき、入るときの年収はエージェントを通して確かめましたが、上がり方の決まりまでは確かめませんでした。先方の都合で見学ができず、面接でも逆質問をしていません。見学では、給料のほかにも見ておきたいことがあります。「調剤薬局の見学で聞く質問」にまとめました。
転職エージェントに頼む昇給の確認
自分では聞きにくいことは、転職エージェントに確かめてもらうこともできます。在宅薬局へ移るときも、僕はエージェントに、候補の薬局の在宅の実績を確かめてもらいました。
同じように、入ったあとの昇給の実績や、評価の決まりも聞いてもらえます。どのエージェントが合うかは、「薬剤師転職エージェントおすすめ3選」で比べています。
僕が在宅薬局へ移るときに使ったのは、見学の日程も組んでくれるファルマスタッフです。
約束を残す労働条件通知書などの書面
面接で言われた手当や昇給、役職の話は、書面で受け取っておくのが安心です。
僕はいまの職場で、「将来は経営者に」という話も含めて、口約束のままにしてしまいました。書面に残っていない約束は、あとから確かめようがありません。ここは、いちばん後悔していることの1つです。
転職全体の進め方は、「薬剤師の転職の流れ」で順を追って書いています。
薬剤師の給料だけで職場を決めると後悔する|年収がいちばん高い職場で分かったこと
ここまで給料の話をしてきましたが、最後に1つ伝えたいことがあります。給料だけで職場を決めると後悔する、ということです。

年収はいちばん高いのに、満足できない職場
いまの在宅薬局は、これまで働いた職場のなかで年収がいちばん高い職場です。でも、お金だけでは満足できませんでした。一緒に働く人が合わず、満足度は低いままです。
給料と一緒に考えたい「誰と働くか」
職場を選ぶとき、給料はもちろん大事です。ただ、最後に満足できるかを決めるのは、誰と働くか、そしてやりたい仕事かでした。
4種類の職場を比べた話は「薬剤師の職場の種類」に、辞めたいと思ったときの考え方は「薬剤師を辞めたいと思ったら」に書いています。
薬剤師の給料が上がらないときのよくある質問|年俸制と管理薬剤師の2問
給料の上がり方で、気になりやすいことに答えます。
薬剤師の給料が上がらないときは確かめてから動く|給料だけで決めない
給料の上がり方について、僕の3つの職場の経験から振り返りました。
- 給料の上がり方は職場の決まりで決まる。公立病院は給料表、個人病院は入るときだけ、在宅薬局は手当と社長の判断
- 入るときの年収と、入ってからの上がり方は別物
- まずはいまの職場で、上司に聞く・先輩の給料を見る・役職の手当を見る
- 移るなら、昇給の仕組みを聞く・エージェントに確かめてもらう・約束は書面でもらう
- 給料だけで決めると後悔する。誰と働くか、やりたい仕事かも一緒に考える
給料が上がらないと感じたら、まずはいまの職場で、どうすれば上がるのかを聞いてみるところから始めてみてください。

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