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病院薬剤師の年収は低い?|30代の目安と2つの病院の給与明細

病院薬剤師の年収は低い? 30代の目安と2つの病院の給与明細
新人ちゃん
新人ちゃん

同い年の薬局の友だちより、給料が低い気がする……。このまま病院にいていいのかな。

病院で働いていると、自分の年収は低いのではと気になりませんか。

僕は薬剤師になって10年、4種類の職場で働いてきました。そのうち2つが病院です。新卒で公立病院、調剤薬局をはさんで民間の個人病院で働きました。新卒で働いた公立病院の初任給は、手取りで約17万円でした。

この記事では、国の統計と、僕の2つの病院の給与明細を並べて、病院薬剤師の年収を確かめます。先に結論を書くと、平均で見ると病院の年収は低くありません。でも、若いうちは低い。若いうちに早く上げたいなら、薬局や在宅に移るのが近道だと思います。ただ、病院で身につく経験はお金に代えにくい。これが僕の答えです。

この記事でわかること

  • 国の統計で見た病院薬剤師の平均年収
  • 30代の年収の目安
  • 公立病院の初任給と昇給のペース
  • 公立と民間の病院で、年収が約150万円違った明細の中身
  • 年収を上げる方法と、病院に残る価値
目次

病院薬剤師の平均年収|国の統計で約581万円・30代の目安も

まずは、国の統計で平均を見てみます。「医療経済実態調査」によると、病院で働く薬剤師の平均年収は約581万円でした(2024年度・給料と賞与の合計)。

病院の種類別の平均年収

病院の種類ごとに分けると、次のとおりです。比べる目安として、調剤薬局の数字も並べました。

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職場平均年収
公立病院約627万円
公的病院(日赤・済生会など)約604万円
国立病院約603万円
民間の病院(医療法人)約540万円
一般病院の全体約581万円
(参考)調剤薬局の薬剤師約480万円
(参考)調剤薬局の管理薬剤師約726万円

※中央社会保険医療協議会「第25回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告」(2025年11月公表)の2024年度の数字です。一般病院の常勤の薬剤師1人あたりの平均(給料と賞与の合計)を、万円未満で四捨五入しています。調剤薬局は法人の薬局の数字です。

数字で見るかぎり、いちばん高いのは公立病院で、民間の病院のほうが低いくらいです。

平均の数字を見るときの注意

ただ、この平均をそのまま自分に当てはめるのは早いです。次の3つに気をつけてください。

  • 平均には、勤続の長いベテランも入っている
  • 年齢ごとの内訳はない
  • 調剤薬局は管理薬剤師を分けて数えているが、病院の表には役職で分けた欄がない

つまり、この平均は「若手がいくらもらえるか」までは教えてくれません。

30代の病院薬剤師の年収の目安

年齢ごとの数字は、病院だけのものがありません。そこで、薬剤師全体の統計を目安にします。

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年齢年収の目安
25〜29歳約501万円
30〜34歳約564万円
35〜39歳約614万円
薬剤師全体(平均40.9歳)約599万円

※厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」の薬剤師(企業規模10人以上・男女計)。毎月の給与×12か月+年間の賞与で計算しています。病院だけでなく、薬局やドラッグストアなども入った数字です。

30代前半で約564万円、30代後半で約614万円です。病院で働く30代で、この目安よりずっと低いなら、働き方を見直すきっかけにしてよいと思います。

病院薬剤師の年収が低いと言われる理由|若いうちの給料が低いから

平均では低くないのに、「病院は給料が安い」とよく言われます。僕が公立病院で働いて感じた理由は、若いうちの給料が低いことでした。

病院の薬剤部で給与明細を見て考えこむ若い男性薬剤師のイラスト。病院薬剤師の年収は若いうちが低い

公立病院の初任給は基本給20万5,300円

新卒で入った公立病院の初任給は、基本給が20万5,300円。手取りにすると約17万円でした。

昇給は3年で約2万円

昇給は年に数千円から1万円ほどで、4年目の基本給は22万5,500円でした。初任給から3年で、約2万円の上がり幅です。

辞めるころの年収は約420〜450万円

4年目は残業代が月3万〜6万円ほどつき、額面で29万〜34万円、手取りで22万〜26万円でした。年収にすると、辞めるころで約420〜450万円です。

年ごとの年収は、noteの給与明細の記事(有料)にまとめています。

若いうちは低く、長く勤めると上がるしくみ

公立病院の給料は、公務員の給料表で決まります。勤めた年数に応じて少しずつ上がるので、若いうちは低く、長く勤めた人ほど高くなります。

平均の約627万円を押し上げているのは、長く勤めたベテランだと僕は考えています。

病院薬剤師の年収は公立と民間で違う|僕は約150万円上がった

同じ病院勤めでも、公立と民間では給料の決め方が違います。僕は公立病院から調剤薬局を経て民間の個人病院に移り、7年目の2022年には、公立病院を辞めるころ(約450万円)より約150万円高い年収になりました。

公立病院と民間の病院を背に、2枚の給与明細を見比べる男性薬剤師のイラスト。病院薬剤師の年収は公立と民間で違う

公立病院と個人病院の給与明細

2つの病院の給与明細を並べてみます。

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項目公立病院(4年目)個人病院(2022年・7年目)
基本給22万5,500円28万1,000円
おもな手当(月)宿日直・特殊勤務手当など1万5,000円ほど勤務・職務・資格手当が各2万円、住宅手当1万1,000円
年収辞めるころ 約420〜450万円約600万円

※公立病院は4年目、個人病院は7年目の明細です。手当は、残業代と通勤手当を除いています。

差がついた3つの理由

差がついた理由は、年次の違いのほかに、僕の場合は次の3つでした。

  1. 基本給も手当も高かった。基本給だけで月5万円以上の差があります
  2. 給料の決め方が違う。公立は公務員の給料表で決まりますが、民間の病院は病院ごとに決めています
  3. エージェントに年収を交渉してもらった。転職のとき、年収の話は担当者を通して進めました

このとき使ったエージェントは、ファーマキャリアです。薬剤師転職エージェントおすすめ3選で、使ったときの流れを書いています。

民間の病院がいつも高いわけではない

ただし、統計の平均では、民間の病院(約540万円)は公立(約627万円)より低くなっています。僕の個人病院は、平均より高かったにすぎません。

民間の病院の年収は、病院しだいです。求人の数字だけでなく、基本給と手当の中身まで確かめることが大切です。

病院薬剤師が年収を上げる方法|早く上げたいなら薬局や在宅

病院薬剤師が年収を上げる方法として、僕の経験から3つを紹介します。

薬局や在宅に移る

若いうちに年収を早く上げたいなら、薬局や在宅に移るのが近道だと思います。僕も公立病院から調剤薬局に移って、年収が上がりました。4回の転職で、年収が下がった回は一度もありません。

統計の平均だけを見ると、病院(約581万円)のほうが調剤薬局(約480万円)より高く、薬局に移ると下がりそうに見えます。ただ、薬局の数字は管理薬剤師を除いたもので、病院の表には役職で分けた欄がありません。年齢ごとの比べもありません。僕の場合は、公立病院から調剤薬局に移って年収が上がり、「同じ資格・同じ年次でこれだけ差がつくのか」と思いました。

病院から薬局への移り方は、病院薬剤師から薬局・在宅へ転職で、2回移った経験を書いています。

民間の病院に移り、年収を交渉してもらう

病院で働き続けたいなら、民間の病院に移るのも手です。僕が働いた公立病院は勤めた年数で上がる給料表でしたが、民間は病院ごとに給料の決め方が違い、薬局に近い額をもらえることもあります。僕のように、エージェントに年収を交渉してもらう方法もあります。

管理薬剤師をめざす

統計では、調剤薬局の管理薬剤師の平均年収は約726万円でした。僕もいまは、在宅薬局で管理薬剤師をしています。

在宅薬局の年収の中身は、在宅薬剤師の年収は高い?でくわしく書いています。転職の進め方は薬剤師の転職の流れにまとめました。

病院薬剤師を年収だけで辞めないほうがいい理由|経験はお金に代えにくい

ここまで年収の話をしてきました。それでも、年収だけで病院を出るのはもったいないとも思っています。

病棟で医師や看護師と話し合う男性薬剤師のイラスト。病院薬剤師の経験はお金に代えにくい

病院で身につく経験

病院で身につく経験は、お金に代えにくいものです。若いうちは、年収が低くても病院で働く価値があると僕は考えています。

個人病院では、あらゆる業務を経験でき、在宅医療も学べました。その経験は、いまの在宅薬局の仕事に生きています。

公立病院の福利厚生と人

公立病院は、福利厚生がこれまでの職場でいちばんしっかりしていました。一緒に働く人も、信頼・尊敬できる人が多かったです。

僕が公立病院を出た理由

それでも僕が公立病院を出たのは、奨学金の返済と結婚が重なったからです。奨学金の返済は毎月30,507円。結婚して生活を組み直したとき、当時の手取りでは生活が組めないと分かりました。

お金の事情で病院を出るのは、悪いことではありません。ただ、年収だけで決める前に、病院でしか積めない経験も天びんにかけてみてください。

公務員のまま残るか迷っているなら、公務員薬剤師はもったいない?も読んでみてください。

病院薬剤師の年収は見学と面接で確かめる|求人票で見えない手当と賞与

職場を移るときは、求人票の年収だけで決めないでください。基本給・手当・賞与の内訳は、求人票の年収欄では見えないからです。

求人票の年収欄で見えないもの

求人票の年収欄だけでは、次のようなことが分かりません。

  • 基本給はいくらか
  • どんな手当が、いくらつくか
  • 賞与は年に何か月分か
  • 残業代が年収に含まれているか

見学と面接で確かめること

気になることは、見学や面接で確かめておきましょう。何を聞けばいいかは調剤薬局の見学で聞く質問、当日の服装や持ち物は薬局見学のマナーにまとめています。

見学の段取りを任せる方法

見学や面接の日程を自分で組むのが大変なら、エージェントに任せる方法もあります。在宅薬局へ移る転職では、ファルマスタッフの担当者が、候補の薬局の見学日程を組んでくれました。

ただ、いまの職場だけは先方の都合で見学できないまま入り、人が合わないと感じるいまは後悔しています。段取りは任せられるところは任せて、自分の目で確かめる時間に回してください。

ファルマスタッフ

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病院薬剤師の年収でよくある質問|昇給・公立と民間・薬局との差の3問

病院薬剤師の年収で、気になりやすいことに答えます。

病院薬剤師の年収は何年目から上がりますか?

僕が働いた公立病院では、給料表に沿って年に数千円から1万円ほどずつ上がりました。ある年に大きく上がるのではなく、少しずつです。民間の病院は、病院ごとに決め方が違います。

公立と民間の病院、年収が高いのはどちらですか?

統計の平均では、公立(約627万円)のほうが高く、民間の病院(約540万円)は低めです。ただ、民間は病院しだいです。僕の場合は、公立病院を辞めるころが約420〜450万円、民間の個人病院(7年目)では約600万円でした。

病院から薬局に移ると年収は上がりますか?

僕は上がりました。統計の平均だけを見ると、病院(約581万円)のほうが調剤薬局(約480万円)より高いのですが、薬局の数字は管理薬剤師(平均約726万円)を除いたもので、年齢の内訳もありません。若いうちに年収を早く上げたいなら、薬局や在宅が近道というのが僕の答えです。

病院薬剤師の年収は低い?|若いうちは低い、でも経験は財産

病院薬剤師の年収を、国の統計と僕の2つの病院の給与明細で確かめました。

この記事のポイント
  • 国の統計では、病院薬剤師の平均年収は約581万円。いちばん高いのは公立病院
  • ただ、若いうちは低い。僕の公立病院は初任給の基本給が20万5,300円、3年たっても22万5,500円
  • 民間の個人病院では、基本給も手当も高く、年収は約600万円だった
  • 早く上げたいなら薬局や在宅。民間の病院に移り、年収を交渉してもらう道もある
  • 病院で身につく経験はお金に代えにくい。移るなら、明細の中身を見学と面接で確かめる

年ごとの年収は、noteの給与明細の記事(有料)にまとめています。病院を出るか迷っているなら、まずは自分の源泉徴収票の年収を、統計の目安と並べてみるところから始めてみてください。

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